「レイ・コニフ・シンガーズ」だ。

今この瞬間、このグループのことを語っている人なんて、世間広しと言えど私くらいしかいないんじゃないか(笑)。。
 そりゃもう、私ゃロック大好きだけど、だからと言って他のジャンルが全くNGというわけではないんっす。小・中学生の時分は、カーペンターズを筆頭に洋楽ポップスとかを好んで聴いていたですよ。
 レイ・コニフって人はその道では結構知られ、最近の人にはあんまりわかんないだろうけど(「イージー・リスニング」というジャンルね)、60年代から70年代にかけてかなり活躍された方らしいです。レイ当人は楽器もできるんですが(何かラッパ系)、どちらかというと指揮者というかアレンジャー。なんだっけ?何かの映画の「ララのテーマ」とかいう楽曲でグラミー賞を獲得している。のようですが、私個人そんなことは全く知らず(笑)、シンガーズとしてのアルバムが印象に残っているんです。


 中学校の、えーっと、1〜2年の頃だったかと思うんだけど、土曜日か日曜日の早朝のラジオで、何の気なしに流していたら、突然耳にこびりついたのが「Happy Days」という曲だったんです。
 なんと云うか、ああ!アメリカだ!7LDKだ!朝の木漏れ日だ!お外の白いテーブルで紅茶かなんか飲んじゃうんだ!みたいな、爽やかさが「すうっ」と来たんです。シール&クロフツとか、メアリー・マックレガーとかに通ずる空気感ですわ。白い系のシャツとかを着ないとバチが当たりそうな、そんくらいの「すうっ」でした。
 ほんで、あまりにも印象に残ったもんだから、どうしたってその曲名が知りたい…で、ラジオ局に電話してしまうんですよ、TBSの東京放送。「えと、あの、い・今さっき流れてた曲名を教えて下さい」みたいな。かなり勇気を振り絞った行為でした。


 考えたら、朝の6時くらいに局に電話をかけてる中学生自体、一体どうよ?みたいな気がするが、若気のなんちゃらね。電話の向こう側も最初は「?」状態であったろうが、親切にも教えて下さった。『レーコニーシンガーのハッピーデー』と聞こえた。恥ずかしいので聞き返せなかった。で、その情報をメモり、街に出かけるわけです。街で唯一といってもいいようなレコード店にね。
当然のようにそういうレコードは置いていない。で、調べて注文しようということになる。
レコード会社を聞いてなかったという詰めの甘さで、各レコード会社の「目録」を奥から取り出してもらいアーティスト検索するのだが、これまた正しい名前を聞いていなかったのでまるで見つからない。「ないわけないです、TBSに確認したのだから、あるはずなんです、東京放送が言ってました」などと宇宙語を喋り、「レイコニフシンガーズというのがあるけどこれかな?」と聞き間違いを指摘されつつ、「あっ!そうだ、そうかもしれない、きっとそうだ、そのグループのハッピーデーというのを取り寄せて下さい。」
…まぁなんだ、こういうのに限って、シングル・カットされていないんです。


するってぇとアルバムだ。発表されてるどれかのアルバムの中にこの曲が入っているはず。そしたらね、レイ・コニフのアルバムって結構あるんですよ。
レイさん、何でそんなにたくさん発表するかなー? 困りますじゃないですか。
おかげ様でお目当てのアルバムに辿り着くまでにかなりの時間を割かせてしまいました。レコード店員さん、その節は大変ご迷惑をおかけ致し申した。


…注文後2週間あまり、首を長くして待てば待つほどに、手元に来た時の感動はひとしおのものがあります。
ワクワクしながらジャケットから盤を取り出しセッティング。
「…〜♪」おぉ!そうそうこの曲だ!…ラジオから流れていたのを聴いた時以上にクリアな音質だ(そりゃそうだ)、ああ、いいなぁ、爽やかっていいなぁ。
でもって、そのアルバムに入っていた他の曲の爽やかさにもヤラレちゃうわけです。『幸せの黄色いリボン』とかね。いちいち湿度のない青空が脳内で広がるわけ。たまらんかったな〜。「アメリカ人」って全員幸せな連中なんだと信じてしまうところだった。


 そんなこんなの楽曲に心酔していながら、1年も経たないうちにハード・ロックの攻撃的サウンドに埋没するってんだから、自分、一体どっち向いてんだかわかんなくなるわけです。(^^;



まさかYoutubeにアップされてるとは知らなんだ。
それをこの度偶然見っけた。(という事実だけを報告すりゃいいものを、こんなに書いてごめんなさい)