夢を見た(痔だって…)


「痔ですね。」


若くてきれいな女医さんが、端的に私を一刀両断する。


「痔核が脱肛してきてますのでオペが必要でしょう。」


「やらないとだめですか?」と私。


「ダメです。」と女医。


まぁ、お医者さんが断言するんだから、やらないといけないんだろうな。
でもやだな。
オペの後、暫くはもんどり打つと聞くしさ。。。


「じゃあ、12月25日に執刀しましょう。当日はお昼までに来て受付を済ませて下さい。」


先生からそう言われてトボトボ家に帰った私。
同僚に電話して「俺、痔のオペすることになったみたいだから、年末は会社休むことになるわ、よろしくな。」と伝えた。
すると同僚、「何で12月25日なん?」と聞いてきた。
確かに今は4月。猛烈に将来ではないか。


「あ…いや、人気のある病院だからそうなってるんかもしれない。」そんな風に答えたら、


「いや、いくらなんでもそんなに先の予約なんてのはありえないよ。第一、そんなに先のオペで済むんなら、しなくたって大丈夫ってことじゃないかい?」と言われた。


…確かにそうだ。


急ぎでオペが必要な感じのコメントを頂戴したにもかかわらず、半年も先のオペってのは一体何なんだろ?


そんな訳で、急きょ病院に再び足を向けることにした。


「あのぉー、すみません、先程、12月に痔のオペを予約させて頂いた者ですが、先生にお取り次ぎ願えますでしょうか?」


「ドウイッタ、ゴ用件デショー?」…受付の女性、ボーカロイド。初音だし。
さっきまでは人間だった筈。


「オペの必要は本当にあるのかの確認なんです。」そう言ったら、


「ナンナノ? モウイチド〜♪」・・・歌うな、初音。


何度か押し問答してたら奥から別の女医さんが出てきた。


ピンクのザマス眼鏡をかけているけど、これまた美人。


「どうされました?」そう質問されて、私はかくかくしかじかと要点をかいつまんで報告。


「ちょっと待って下さい、カルテを見てきましょう。」…(中略)…「お待たせしました。」


「…で、本当のところ、どうなんでしょう?」


「ん、そうね、オペの必要性は確かにあるわね。貴方が不安がっているようだから、すこし冷却期間が必要と判断したみたい。。宜しければ、もっと早めましょうか?」


「早くって…何時頃です?」


「ご希望とあれば、明日にでも。」


「げ!…それはちと早い。。」


「ほらね、まだ揺れてる。」


「い・いや、違いますよ、違うんです、必要とあらば覚悟は出来てるっす。」


「…ただね、一つ注意しておきますね。オペが何時であろうと、終了後は化膿止めの薬を飲んで頂きます。部位の状況が状況ですので、貴方の場合は一生飲み続けて頂かなければなりません。」


「一生ぉ!?」
嗚呼、私も常飲薬を習慣とする年頃になってしまったのか。。


「そうしない方法もあります。」


「え! どんな!??」





「うふふふふふ・・・」



何だ、その含みのある笑顔は。




…で、目が覚めた。
いやぁ、なんか、猛烈に寝苦しい夜であった。暑いんだよね、今夜からは毛布一枚外そう。