屈折スタンスのマナー(アーカイヴ)

日本語の表現にはいつも舌を巻いてしまう。
言葉には意味がついてまわるんだもの。


「音楽」という言葉がある。読んで字のごとく「音を楽しむ」のが音楽。
これに直結する英単語は実のところ存在しないのではないだろうか?
「music」と言う単語はあるけど、あれって多分にメロディー性が含まれているような気がする。


 一方、ちょっと極論かもしれないけれどバイクの排気音ってのがありますよね。あの音が気に入っている人にとっては、正に排気音を聞くことが音楽になっているだろう(違うか…)。それ、英単語では「sound」で括られてる。単語に感情が入っていないのだ。


 さて、クラシックをこの上なく好んで聴いている人の中には、ロックをこの上無く毛嫌いする人がいる。別に毛嫌いすること自体は悪いことではないんだけど、だからといって「あんなのは音楽じゃない」と言うのは考えモノだ。
 そういや、私が学校に行っていた時の音楽の先生もそういう人だったっけ。ロックは「スピーカーが汚れる」とか言ってたような…。物凄く腹が立ったけど、当時はちゃんと歯向かうことが出来なかった。
彼の発言って明らかに偏見だったと思うけど、それをどうやって論破するかの言葉を見つけることが出来なかった。自分が少年であることを勝手に根拠付け、「大人にならなくちゃわからない」と言われてしまったら、もう何も返す言葉が無いような「決め付け」にどうしても不愉快になってしまっていた。


ところで、今、私は大人になりました(笑)。(精神面は別としても…)


 考え方・音楽の捉え方に変化はあったかというと、確かにそれなりの変化は遂げてきている。当時以上にクラシックも楽しんで聴けるようになったし、ジャズだって楽しい。ちゃんと自分なりのTPOで音楽ジャンルを選択できるように成長してきました。
んがっ、残念でした、ロックはやはり好きでした。そこで私は改めて当時そういった発言を行なった人に冷静に発言をしたい、「貴方の言っていることは間違っていますよ。正しくは「ロックは私にとって、音楽ではない」と発言すべきでしたね」と。


 何にせよ、自分の範疇にとらわれてしまうと偏見甚だしくなってしまう。
 偏見のひとつやふたつ持っていなければ個性の確立は難しいと思うが、相手を不愉快にさせるような偏見の場合は、その考え方を基準にして発言した場合に、相手にどれだけの不愉快さを与えてしまうのかと言うことを、ちゃんと知っておく必要があるね。
 それってのは、自分がどういう考えを持って行動していて、どの部分が世間一般とずれているか、どの部分が世間一般よりも秀でているかをちゃんと客観的に判っていないといけないと言うことに通じるんだろう。


私は偏った見方や、斜に構えて見ることはとても好きであります。
でも、そのスタンスで意見する時は慎重でありたいと思う。


偏見マナーを大切に。




過去記事なのだけど、今でも新鮮にこの気持ちなのだ。
ステイ・チューン!>我(^^;