偶数ビートと奇数ビートとゴジラとプログレッシブ・ロック♪


先日はマーチの話をしましたけど、うん、そう、日本の行進曲の名曲の話。
ほんと、「祝典行進曲」ってカッコいいと思う私です。


あ、そうそう、有名と言やぁ「ゴジラのテーマ」ってのも世界的にかなりですよね。
実は私この曲を「変則的行進曲」と考えている。「変則的」というとこがキモ。(なんたって、行進してるの、人間じゃないし)


伊福部昭先生でしたっけ?
物凄い巨匠がこの曲を担当されていたかと記憶しているんですが、あれ、7拍子なんですよね。7拍子って、奇数じゃないですか。たしか「2・2・3」の組み合わせによるものでゴジラの迫りくる不安定感・恐怖感をものの見事に表現していると思うんだよね。
これ、2拍子では精々「勢い」しか表現できなかったであろうさ。
そういう意味でも、7拍子という選択肢を選んだのは凄いね。


凄いついでに言うと、往年(昔)のTVクイズ番組「タイム・ショック」は回答者が回答できる60秒間をオール・クレッシェンドの6拍子のBGMで攻める。「3・3セット」ね。(もっとも、この場合はビートもさることながら、テンション系のコードワークがミソだな…30秒過ぎあたりから)
これまた不安定感があるもんだから、スリリングさが20%増量されちゃうと言うマジックが効く。


奇数によるビートはそんなわけで、不安定がつきものになってしまう、と推測した。
つまりはあれだ、人間って、基本的に偶数のビートに生理的安定感と言うか安心感を持ちやすく、3拍子はさておき、基本的に奇数な(とりわけ素数な)ビートには緊張感を持ってしまう性質があるんでしょうね。


で、プログレッシブ・ロックの話になるんですが(笑)、凄いプログレの楽曲と言うのは、そういう不安定さを感じさせずに奇数ビートを上手く取り込むと言う技を『出しっこ』するみたいな部分がある。
まぁなんだ、プログレってマニアの巣窟みたいなところだから、必然的にそうなっちゃうんかな?
(^^;



U.K. - In the dead of night

「UK」でございます。
邦題「暗闇の住人」だったかと思う。
アラン・ホールズワースもいれば、ジョン・ウェットンもいるし、ブラフォードもいる。まさに最強プログレ
…だけど、イエスとかクリムゾンとかELPほどのセールスには至らなかった。これが実に不思議。
多分、楽曲の問題なんだと思うけど、自分的にはこの曲に代表される変拍子とか全然オッケーなんっす♪ ちょっとクロっぽ過ぎたのがセールスに至らなかったのかもしれないね。
クリムゾンファンのように、はなからパンピーを相手にしてない突き放したような男臭さの強さに欠けたのかもしれない。
若干、おしゃれなんですよね。
それが仇になったのかもしれないな。


Bruford - Hell's Bells

ビル・ブラフォードは後に「ブラフォード」という、まんまのネーミングのバンドをこさえて活動するのですが、これもまた、私みたいな変拍子マニアとかには支持されたものの、一般的なセールスはそれ程の記録は残さなかったと思う。ま、当人、もしかするとそういうセールスなんてのはあんまり気にしてないのかもしれませんね。
にしても、彼の変拍子は無敵だね〜。
おっと、クリニックでのソロ演奏を披露しているのにエンカウントしました。
 ↓
Bill Bruford - Hell's Bells


こうやって、クリニックのを観ちゃうとやっぱりすごすぎるのが実感できる。。
ポーカーフェイスで、とことんスゴ技を披露しちゃうもんな。ある種、ストイックな存在だね。おそるべしだ。



自分たちで演奏する時、こういう変拍子ってのは、内輪的には物凄くアドレナリンが増幅するんですよ。あと、似たようなのだと、ポリリズムで演奏して最小公倍数で全てのパートがどんぴしゃで揃った時。
もうね、「キターッ!」って心の中で咆えてしまうんだな、うん。
長い拍数をブレイクして、アイコンタクトを取らないで同時に演奏を再開する時のどんぴしゃもゾクゾクするな。
バンドって、そう考えると、麻薬的な部分が内包してます。^^