2拍子行進曲、日本が誇る名曲「祝典行進曲」

このあいだ変拍子の事を書いてて、連想ゲーム的にイメージが膨らんだ。

 一般的に、歌謡曲、ロック、ポップなどの世間に広く浸透している音楽に耳を向ければ、その多くは8ビートにある。ジャズっぽいのとか、古い歌謡曲(「私の彼は左利き」)みたいのには4ビートってのがあるし、サンバやちょっと古いニューミュージック(「八神純子」系)には16ビートの存在もある。参考までに、フュージョンとか忙しい系の曲は16ビートが多い。こちらは楽器演奏サイド。そして、身体動かす系の忙しい曲には8ビートが多い。強引に玉数を多くしているスラッシュ・メタルにしたって、玉数的には16とか32だけど、動きとしては8ビートが基本だと思っている。
つまり、かなり大まかなくくりで申し訳ないけど、4・8・16の系統は生理的に入りやすいビートなんだと思う。

で、だ。

3拍子ってのがある。
2拍子ってのもある。
この二つも広く普及している。普及しているけど、曲のタイプはかなり限定されている。例えば3拍子、これは圧倒的にワルツである。「ずん、ちゃっちゃ、ずん、ちゃっちゃ♪」である。「た〜〜、ら〜ら、ら〜♪」である。
3拍子としてのインストゥルメントもあるし、ロックもあるけれど、圧倒的にワンツースリー、ワンツースリーで踊る系なのだ。3拍子にはそういう性質があるんだろう。


また、2拍子は圧倒的に行進曲。ワンツーワンツ−!だ。
そりゃ人間、二足歩行だから2拍子が行進曲として最適なのは非常に良く判る。
あ、競争曲(?)みたいのも2拍子だね、走る系。ギャロップっていうんだっけ?ちと、忘れたが、結局2ビートは二足歩行系と言う事になるんかな?


ふ・し・ぎ・だ。


4・8・12のビートでは、色んな種類の曲が溢れてるのに、比較すると広く浸透しているけれど2とか3は少ないんだよね。こういうの、もちっと掘り下げたらかなり興味深い展開がみられると思うけど、すんません、音楽生理学・音楽心理学はそんなに勉強してないんで、これ以上の事は語れないや。




 昔、まだ、自分がロックとかに目覚めてなかった頃(…ってか、ビートルズは聴いたりしてたか)、家にあった真空管アンプから流れるハイダイナミック・レンジのパワフル・サウンドを体感するにはマーチが最高だと親父が言っていた。近所の親父もそういう系統が存在した。


 休みの日ともなると「星条旗よ永遠なれ」「アメリカン・パトロール」がガンガン流れていた。時々「島育ち」とかのハワイアンも流していたが、まぁその辺はアバウトなもんだ。


 近所のおっさんは、景気づけに「軍艦マーチ」とかを全力で流す一方、「無法松の一生」「からたち日記」などの重演歌を流していた。初夏の雨の日なんかは、窓を開けっ放しにして部屋でごろ寝、頭だけを窓の外に出して、飲み過ぎて熱くなった頭を雨に濡らして冷やしてるおっさん…なんてな光景が日常だった。


記憶ってさぁ、どうでもいいことを結構覚えたりしてるもんなんだよね。。




あ、ちがう、そういう話じゃなくて…えと、マーチの話。


マーチと言えば「スーザ」なんだろうけど、日本にも素晴らしいマーチが存在する。
天皇が御成婚された時用に作られた『祝典行進曲』。昭和34年に團伊玖磨先生によって作曲された名曲である。これは世界に誇れると私は思っているね。とにかく雅やかでカッコいいな。
こういう粛々とした美意識に行進マインドを渙発される曲なんてのは、中々御目にかかれまい。僕、大好きである。

祝典行進曲

思えば、「スーザ」の曲はこういうのに対しては、大業な芸風んだよね。
それと比較すると、この「祝典行進曲」や「ラデツキー行進曲」には、妙に雅な部分がある。艶やかな曲ってのは、個人的に物凄くシュミなんだよな。単にカッコつけしぃの派手でゴツイのよりか、何倍も好みなのだよ。

ラデツキー行進曲

こういう盛り上げ方ってのは、水戸黄門様的でいいですよね。
毎年恒例のウィーンフィルのニューイヤー・コンサート。
ここでは、最終曲アンコールに必ずこの曲を演ると言うのが、お約束。
なんたって、ここに至るまで結構荘厳なのとか、堅苦しいのとか、まぁまぁ大人しく聴くタイプのが並んでるもんだから、最後に至ってお客さんに手拍子を求めるともなれば、自然、盛り上がっちゃうものです。一気にアドレナリンMAXになるってのはいいねぇ。