大工さんの音色が違う!
僕は、大工さんにはなれなかった人間だ。
ガテン系が苦手と言うことに尽きるのかもしれない。
とは言え、大工さんの奏でる音は少年期に慣れ親しんでいたせいで、大工さんは好きなジャンルでもある。(^^;
トントントントントトトン!と釘を打つ金槌の音。
シューコシューコシューーッ!と響くカンナの音。
ギコギコギコギコ・・・!と鳴り響く鋸の音。
とてもすべからくが生活音に密着している。(という耳の記憶があるのだ)
現場は物凄く忙しく大変なんだろうけど、私にはこの音色はまさしく生活音の、1/fゆらぎの、癒しの、なんたら、みたいなものなのだ。
先週、私の住まいの近所にあるボロボロの倉のような建造物が取り壊された。
どうするのかな?と思っていたら、新しく建て直すみたいである。
そうこうしないうちに大工さんたちがやってきて、仕事が始まったさ。
嗚呼、懐かしい音の響きが始まるのか・・・と思ってたら、
ややっ!?
プシューン、プシューン、・・・バスッ!
え?
バスッ! バスッ! ウィィーーーン、フンギュオォォ〜〜!
「おーい、インパクト持ってきてくれ、これじゃだめだ!」by 現場鳶
い・いんぱくとぉ?
なにそれ?である。
ゲンノとか、ノコとか、そういう表現性の物体は消えちまったんか?
なおも工事は続く。
ピシューン、ピシューン、ギュルルッ、バスッバスッ。
・・・
え〜、何と申しますか、トントントンとか、シューコシューコとか、ギコギコ…なんてのは全くと言って良い程に皆無。
どうやら私の期待した音は、過去のサウンドとなってしまったらしい。
おまけに時々片言の日本語が紛れ込んでいる。
「トーリョー、コレナニッ!?」
その台詞を聞く度に、「その仕事、大丈夫なのか?」「その工事、安全なのか?」 と思わずにおれなくなる。
ともかく、私は日本の古き良き光景と言うか、音の風景を一つ失ってしまったことにちょいと寂しい思いがしたのでした。
ま、時の流れってのはそういうもんなのでしょうな。
とりあえず、上手く工事が完了致しますように。。