閑話休題;NHKの銀河テレビ小説

 先日の「五輪真弓」さんの「落日のテーマ」の話ではないですが、この曲は、その昔、NHKの「銀河テレビ小説」という夜の連続ドラマ企画で放映されてた「僕たちの失敗」という作品の主題歌を張っていました。


思えば、この銀河テレビ小説、同局の朝の連ドラと双璧な存在だった。


 朝のは学校があるので見れないが、夜の方なら見ることができる。また、長いと1年くらい「連続」してしまう朝のシリーズに対して、記憶が正しければ、夜の方はせいぜい1〜2カ月もあれば終了する。最も多いのが数週間くらいのほんとに短いタームで完結する作品群だった。そういう「連続数」も私には程よい長さだった。しかし、ターゲットが小学生ではないので(当たり前だ)、面白くないシリーズが大半だった。


でもそういう中にあって、ものすごくツボに入ってしまうシリーズもたまにはある。


 「僕たちの失敗」というのは、テーマソングのインパクトが強すぎて、お話も見てしまったという変わった取っ掛かりだった。ストーリーは、簡単に言ってしまえば、自己中心主義の主人公が惚れた相手と「契約結婚」をして、思うように事が運ばなくて、自己崩壊してしまうというものだった…と思う。世の中、そんなに計算づくでは行きませんよ、利己主義が行き過ぎると崩壊しますよってなお話しだったか。


 この他、個人的に印象深かったシリーズに「崖」というのもあった。井上靖の同名小説のドラマ化ですな。事故で数年間分の記憶を失った男が、快癒するまでのプロセスを綴ったものだけれど、けっこうサスペンス仕立てになっていて、どうしても続きが気になる連続ドラマだった(の割には、細かいところを全て忘却したぞ)。


そうだ!


記憶に残っているけど、タイトルも、どの局のものかも、わからない印象深いドラマというのがある。(そういう歌と同じね)


こういうのって、思い出そうにも情報量が少なくてどうにもならない。


 個人的には、銀河テレビ小説の何かではないかと思っているんだけど、タイトル的には「この先を曲がれば」とか「その突き当りを左に折れれば」みたいなやつ。


 とある男が、借金か詐欺かで散々な被害にあって、家を追い出されてしまうんだけれど、子供たちや奥さんにはひたすらに事実を隠すのである。「引越しをするよ」とか嘘をつきながら、リヤカーみたいなのに家財を積んで、その日暮らし的に旅館とかを転々とし、とうとうお金が底をついてしまうに至る。
 行くあてもなく、子供や奥さん(最後の方では奥さんは事実に気が付いていたと思う)をだまし続けながら、リヤカーに子供たちを乗せ、「ねぇ、いつになったら、新しいお家に着くの?」と聞いてくる子供に「もうすぐだよ。ほら、この道の先の突き当たりを曲がれば目的地さ。新しい家ではペットを飼おう!何がいいかな?好きな動物を言ってごらん? 芝生にはブランコもいいね。。。さぁ、もうすぐだ、もうすこしで着くよ…」とか言いながら夜のさびしい道をリヤカーを引いていくシーンで本編が終了するという、誠に後味が複雑な作品があった。


これ、誰の何っていう作品だったんだろう?


もう一度観たいというか、原作を読んでみたい作品だ。