溶ける夢
夢を見た。
友達と旅行兼撮影会に出かけた。
皆、カメラを首からぶら下げ、駅に到着するなり街中へ向かうかと思いきや、裏へと周りこんで行く。
「この辺りから中に入ってみようか」
景色は小高い丘のような森林だ。
少なくともここ数年は人との縁が断ち切られているような場所。
『人気のないところにシャッターチャンスあり』を心情とする一行は、獣道にもなっていないようなボサ藪の中へとずんずん入って行った。
「おぉ!」
見たことのないような花やら樹木が眼前に広がる。その向うは・・・何故か温泉だ。湯気モーモーである。
一行は其々にパシャパシャと写真を撮り始めた。
皆と同じようなポイントで撮っても、似たようなのにしかならないと思った私は、とにかく温泉の湧いている場所へと突き進んで行った。
湯気の向うの景色と、湯気がミックスされて、なんとも幽玄な光景が広がっている。
これは写真に収めよう!
・・・そう思ってカメラをホールディングしたら、湯気のせいか、レンズが曇ってしまった。
(あ、いかんいかん。。。)
手元のクローシングタオルでレンズを拭いてみると、いつもと違う感触が。
(ぬ!?)
なんと、レンズの曇りと一緒に、レンズの表面部分が融解してタオルにくっついた。
「どえっ!?」
思わず叫んでしまった私の声に反応して、友人が走ってきた。
「どしたー!?」
「曇りと一緒に、レンズの表面が溶けてタオルに沁みこんじゃった。どうしよう?」
「どうしよう・・・ったって、どれ、その部分、見せてみろよ」
おもむろに、ぶら下げていたカメラを持ち上げようとした時、これまた違和感のある感触。
「あれ?カメラ、濡れちゃってる?・・・えぇ!?」
見れば、鏡銅部を残して、中のレンズがすべからく溶けちゃっているではないか。
濡れたと思っていたのは液体化したレンズの感触だったのだ。
「うひょー、レンズ着けてるのにレンズのないカメラになっちゃった!」
・・・
これでは撮影になりません。
私は諦めて、温泉に入ることにした。
温泉は施設の管理下にある。入浴するにはチケットが必要。
自販機で買いましょう・・・小銭小銭・・・うひょっ!?溶けはじめている!?
いかんっ!
早くしなければ、硬貨の認識が出来なくなってしまう!
「So You Monday?」番頭さんが言いました。やけに歯の白い、変な外人。
・・・
目が覚めた。
相変わらず潜在意識のメッセージを汲み取ることができない私だ(^^;