盗難の夢
夢を見た。
その日、僕達三人は電車に乗って、とあるところへ旅行に行くことになっていた。
駅のホームで電車が入線してくるのを待っていると、オールステンレス製の車体に水色のラインが施されている近代的な車両が颯爽とやってきた。
『プワァァァーーーン!』ガタンゴトン、ガタンゴトン・・・
その電車の行き先表示のとこが「満員御礼」と赤太字の強調表示にいきなり変わり、一気にホームを過ぎ去って行った。
(なんですかぁ?)
数分後、今度はチョコレート色のレトロな車両が入線してきた。明らかにスピードが遅そうだが、まぁ良い。とにかく乗れた。
その車両、レストラン付きの車両で、わたしらは電車の中で食事をすることにした。
現地での食事時間をショートカットできたのは非常に効率的で嬉しい。
・・・現地到着。
現地ったって、どういう場所かは知らない。けれど、観光目的だったようだ。銀杏並木が綺麗な風景の。。。
どうしたことでしょう、辺り一面が、銀杏ではなく桜で満開になっているではないか。
しかも、この世のものとは思えない美しさ。
よし、写真を撮ろう!
そう思って、私は「はた」と気がついた。
「やばい!さっきの電車の中にカバンを忘れてきちゃった!」
「あ、俺も!」
「僕もだ!」
どうやら、ともだち三人組、みんな電車の中にカバンやらバッグを忘れてきたことに気がつき、急いで電車を追いかけることになった。
終点で待機している電車のところにやっとのことでたどり着き、カバンを発見。
ふぅ、よかった。
と、思ったのは一瞬で、全てのカバンの中身が空っぽになっていた。
駅員さん:「盗まれちゃったみたいですねー。お客さん、忘れてったのがいけないもんね。」
対応は冷たい。
(あのカバンの中に結構高価なカメラが入っていたのに。。。)私は思った。
「ちくしょー、あの水着は中々入手できないんだよ。」友人が言った。
「失ってしまったホイールは残念だけど、なくなっちまったものは仕方ない。」別の友人が語る。
さて、私達は一体どういう集まりなのでしょう?
「確かこの近所に、中古カメラ屋が何件かあったはずだよ、桜の写真撮るんなら、そこに行って、機材を購入してこようぜ!」
友人とともにそこへ行く私。
道中、水着を失った彼は「『例の川』でどうやって泳いだらいいのか、普通パンツで大丈夫なのか?」などと自問自答していた。『例の川』とは一体なんだ?
ホイールを失った彼は「一輪車でツーリングなんて、粋だな。」などと呟いている。何処を走る気なんだ?
・・・現地到着。
そこに中古カメラ屋は存在していたが、取り扱い品目は大きく変わってた。
「お客さん、今じゃ、カメラはなかなか売れないんだよね。」
そう店主は言いながら、「これなんかいいよ、今だったら安くしておくよ!」としきりに私に薦めてきた商品がある。
「無線機」である。
(それ、何に使うんでしか?)
そこで目が覚めたんだけど、さて、この教訓はなんだったんだろう?
忘れ物に注意ってところかな?
友人にも気を配ろうってこと?
これからのトレンドは無線機?
んー…