阿修羅展に行ったよ、上野。

満を持して阿修羅展に足を運んだです。


ashuraten.JPGすんげぇ人の群れ!

 こんなに人気が沸騰しているとは思ってなかったので、びっくりした。
チケット買ってから入口付近で「只今のお待ち時間は、だいたい70分程度でーす。」と気分を挫くようなアナウンスが流れる。
実際に、このアナウンスを聞いて挫けて、「どーぶつえんに行こうか?」と家族会議するファミリーもあるわ、「カルチェ展にする?」とか「ルーブルも混んでたし、ま、しゃぁないか。」と並ぶ覚悟を決める老夫婦など、実に様々なショートドラマがそこここで展開されてた。
私は、端からここに行くことしか考えていなかったので、潔く70分覚悟の列に並ぶことを決意。揺らぎませんでし。


 会場の中に入ってしまうと、今度は会場外のような「じりじり牛歩」ではなく、「ベルトコンベアー的あれよあれよ状態」。当の阿修羅様もどのくらい拝観する事が出来たんだろ?
阿修羅様の周りを一周するのに3〜4分位だったかも知れない。


こういう「右から左へ流される」ような人込みから、お目当てのものを見学するのって、ダヴィンチのモナリザ以来かな(随分昔の記憶だなー)?


 ま、それでも、例え数十秒でも、間近に阿修羅様を見れたのはやはり感動だった。
以前に、奈良で阿修羅様を見た時はガラスケースに閉じ込められたんだけど、今回は剥き出し状態。見ている人との間に「壁」がない分、そのダイレクトにして空気を共有しているような緊張感で、目が釘付けにされてしまう。出来ることならもっと人の少ない環境で拝観したかったな。無理だろうけど。


あ、そうそう、そう言えば私の後ろの方で、
「こんなに沢山ひしめき合って、人は皆、一体何を求めているのだろう?」なんて、マスコミのコメンテーターかなんかが好みそうな台詞を喋っている人がいたっけ。
(あのね、なぁんも求めてたりしてませんよ、きっと。)
私は心の中で答えて上げました。




いずれにしても、その照明技術には驚かされたな。
そもそも、仏像などは、やはり社寺の中で、その寺の空気感や積年の歴史的匂いを一緒に身体で感じながら、拝観するのが適していると私は思っていたし、今でもそう思っている。
そのお寺から部分的に持ち出されて、個別に展示され、白日のもとにさらけ出してしまうってのは、重みが、伝統が、精神が、薄められてしまうと言うか、軽くされてしまう危惧があるのではないか?と。
 でも、今回の展示で思った。この会場の照明を担当された方は、ただならぬお方である。凄い。必要最小限にして、最大に効果を発揮するような空間の演出と光の量と角度。指向性の強い照明と、そうでない照明の組合せ。上からの光と下からの光のバランス。全てにおいて、かなり緻密に計算された演出だったように思う。
畏敬の念がそのまんま伝わってきたような気がしたですわ。




展示会の会場を出たら、大雨に遭遇した。
ここんところの東京は天気が不安定でありまする。

20090531shinryoku.JPGもっとも、地面に「水分」がかなり供給されてきたせいか、新緑の季節、かなり緑がけぶってきた気がします。
ってか、この樹木の幹の苔むしたレヴェルがやや半端ない状態っした
(^^;

そうこうしているうちに梅雨となり、アジサイの季節になるんだろうな。