フィドルな話

フィドァイルリン.jpg オーケストラなどで言うところの「バイオリン」。一方カントリー・ソングのジャンルになると「フィドル」というものがある。
 私は、てっきり「形は同じだけど、似て否なるもの」と思っていた。
そしたら、先日お邪魔したライブハウスで「同じもの」という情報を得て、人生ン十年にして漸く誤解が解けた事態に遭遇。やや恥ずかしい・・・ひとり心の中で「そうだったのかーっ!」と吼えていた(目剥!)。

 どうやら、二者の構造は全く同じ(チューニングはどうかわかんないけど)で、クラシックで演奏するものがヴァイオリン(イタリア語)、カントリー・ソングに拘らず民俗音楽で演奏するものがフィドル(英語)と定義されているようだ。
もっとも、「ヴァイオリンは歌い、フィドルは踊る」という名言もあるようで、なるほどこう考えてくると、「似て否なるもの」というのも「当たらずとも遠からず」ってとこかな?(笑)


 もっとも、ヴァイオリンを弾く人をヴァイオリニストと言いますよね。一方、フィドルの場合はフィドラーだ。
方や「イスト」、もう片方は「ラー」だ。これだけでもかなりの違いがある。吉永小百合さんと、安室奈美恵さんの違いくらいだ。
「イスト」が付くと独裁者なイメージがきますけど、「ラー」が付くとモンスターなイメージがきます。どっちもお互いに歩み寄ろうとしない力強さを感じますでしょ?(^^;


そうそう、区別方法には以下のようなこともあるようです。


楽譜通りに正しく弾いても音楽にならないのがヴァイオリン
楽譜を無視して弾いても音楽になるのがフィドル
(そうなのか?)


下手なヴァイオリニストは無視される
下手なフィドラーは袋叩きにされる
(判る気がする)


ヴァイオリニストはそっと音を出す
フィドラーはいきなり突拍子もない音を出す
(あ、わかる)


ヴァイオリンの上手な人は正しい運指をマスターしている
フィドルが上手な人は無茶苦茶の運指で正しく弾ける
(ノーコメ)


ヴァイオリニストは演奏会が終わってから酒を飲む
フィドラーは演奏前、演奏中、演奏後に酒を飲む
(さらにノーコメ)


ヴァイオリンの音は神経にさわり、頭痛を起こす
フィドルの音は癪にさわり、物を投げたくなる
(・・・)


ヴァイオリニストは楽譜がないと困る
フィドラーは楽譜があると困る  
(…そんなこと無いよなー)


ヴァイオリニストは演奏家である
フィドラーは作曲家である
(座布団一枚っ!)


なんか、こうして俯瞰すると、世の中誤解もかなりあるようだ。
フィドルを誤解していたのは私だけではなかったようだ。
それがわかった。
ちょっと安心(笑)。


さてと、ご機嫌なフィドルの演奏でもいかが〜?
とにかく、偏屈に構えないで素直に曲に身を委ねてみてはどうでしょう?
ファンキーなリズムに乗って、心も身体も跳ねてくれば、フィドルの魅力に、染まったしるしです♪

Jean-Luc Ponty - New Country
注;ジャン-リュック・ポンティさんは、仏蘭西人です。
注;この人、ヴァイオリニストで生息エリアはフュージョン界でありまする。