ジェフリー・ディーヴァーという作家をご存知です?

 昨年末に「チャイルド44」を読んで、中々「ぐぐっ!」ときた私は、久し振りに活字中毒モードに入ってみようかと思ったです。

 件の「チャイルド44」は2008年度「このミステリーが凄い」の堂々第1位を獲得している。従来より、こういった「ランキングもの」の評点と自分の評点は異なるものだから、そういうランキングは当てにならないと思っていたんだけど、第1位の「チャイルド44」が結構響いてしまったもんだから、このランキングに従って読んでみるのも面白いんじゃないかと考え、同じく上位ランキングにあった「20世紀の幽霊たち」ってのを購入して読んで見ることにしたです。
 この本、ホラー系のショート・ショートなのだが、解説を読むと「単なるホラーの範疇には収まらない新たなる境地を切り開いた」とある。しかも作家はあのホラーの巨匠「S・キング」の息子のヒルと言うではないか。そうか、そこまで言うからには面白いのかな?よし、買ってみるか。

 そうしてゲットした「20世紀の幽霊たち」。
最初からテンポはよくて、なにせ、「はじめに」に匹敵する部分からしてもう物語が入っているなど、アイディアは中々のものを感じた・・・が、3〜4話読んだら飽きてきちゃった。
のめりこむ事ができなかった私は、さっさと次に進むことに。

 昔は「もったいない症候群」で、どんなにつまらなくても買ったからには最後まで読むと言うスタイルを取っていたけど、最近じゃ「つまらなかったら最後まで読むのが時間の無駄」と考えるようになった私。

 後日、書店の中をうろうろ歩き、帯符に「英国○○誌絶賛!」とか「欧州○○賞獲得!」のようなのが書かれている作品に遭遇(こう言う宣伝文句も、アヤシイといえばアヤシイってわかってるつもりっすが…)。タイトルは「予約制殺人サイト」とあった。本の裏側の作品紹介には、とある人物が列車内でCDを拾い、そのCDを持ち帰って中身を見ると・・・そこから人生が変わってしまうというもの。中々面白そう。しかも、最初の数ページを立ち読みしたら、勢いがありそうな感じがしたので、先ずは上巻を購入した。
 …勢いを感じたのは30ページ位までだった。それより作者の描写力とか作中に登場するアイテムなどの選択・表現法が面白くない。さっさと諦めることにした。下巻まで買わなくて良かった。

 何か他にないものか?いや、あるはずだ。単に私が見つけられないだけの話しだ。

 そうして後日、今度は別のところのランキングで燦然と輝いている作品に遭遇した。ジョン・グリシャム作、「大統領特赦」ってやつ。所有国不明の軍事衛星、それにまつわる各国の諜報機関の出動、特赦で獄中からでた辣腕ロビイストが織り成すサスペンス。。。掴みはオッケーだ。よし、これにしよう!
・・・192ページまで付き合ったけどNGにした。スピードはあるんだが、なんか、スピード感がない。下巻買わなくて良かった。。。


3連敗である。


 そこで今度は、ノリ一発で探してみようということにした。ちょっと以前から気になっていた作家がいる。名前は「ジェフリー・ディーヴァー」。最近では「スリーピング・ドール」とか「ウォッチ・メイカー」なんてのが注目されたNY刑事もののシリーズを書いている作家である。私は基本的に刑事もののシリーズというのはどうも好きくない。多分、日本のカッパ・ノベルズとか徳間とかNONとかでシリーズ化している刑事もの、亜流ハードボイルドが「てんで」面白くないと感じていることが原因だろう。
 刑事コロンボとかもTVだったから見れたものの、あれを小説で全部読もうなんて気持ちはさらさらない。
 そんなわけで、ジェフリー・ディーヴァーの「リンカーン・ライム」シリーズに手を中々出せずにいた。しかし、彼の人気は良好っぽいし、ストーリー・テラーとしての能力にも定評がある。3連敗が4連敗になったっていいじゃないか、でも、単行本のそれを買って失敗したら投下資金(損失)は大きくなってしまう。

 で、シリーズの第1作に拘ることなく、文庫化しているもののうち、シリーズで一番安い作品を買ってみることにした。店頭にある商品群の中では「コフィン・ダンサー」ってのが一番安かった。よし、これにしよう。


コフィンD.jpg 読みはじめた。シリーズの何作目にあたるのかは知らない。しかし、何作目かの作品なのだろう、当然のように沢山の登場人物が読者は既に既知のように最初の数ページからしてどんどん登場してくる。ので、20〜30ページはとにかく登場人物紹介ページとにらみ合わせながらの「我慢」のひとときだった。・・・がっ!
きたっ!
ぐぐっときた!
やっほーい!こいつは面白い!

下巻を購入することに決めましたとさ♪