会社の近くに「らん○亭」があるんです、牛丼屋さんの。「ら○ぷ亭」知ってます?
先程、牛丼が食べたくなったのでそこに赴きました。

お店に近づくと、店先に幟が何本か立ってました。キャンペーン中の商品とかの告知ですな。見れば「かつ丼☆570円」というのばかりが立っています。かなり「かつ丼」に力を入れている模様です。ふむふむ…

かつ丼の幟を横目で見つつ自動ドアをくぐりました。正面10歩先辺りがレジカウンターだ。
「いらっちゃいませ!」
必要以上に元気な声で気持ちが良いがアジアンな訛りを伴っている。「らったいまてェ!」とも聞こえる。それはそれで構わない。…構うのは、そのレジ員の頭上にあるディスプレイだ。いつもはメニューが表示されてるが、本日は「かつ丼570円」の表示がでっかくされてるのだ。かつ丼570円「しか」書かれていないのだ。
他のメニューが表示されてない。そんなに力を入れているのか?

店内にいる他のお客4人を眺めてみた、すると、  …なんと!
あろうことか、全員かつ丼を食っているではないか。

ちょっとまて。

私の脳内カイロはフルスピードでこの事態を咀嚼した。

…もしかして、昨今の牛丼競争で「○んぷ亭」はメニューを「かつ丼オンリー」にしてしまったのではないか?
牛丼の戦いから一線を退き、かつ丼という選択肢で生き残りをかけることにしたのではないか?
牛丼屋であるにもかかわらず、かつ丼で商売をしなければならない悲哀。…そうか、そういうことか。さぞや口惜しかろう。
うん、いいよ、かつ丼だって悪くない、協力しよう、そっちに舵を切ることにしよう。
私は、店員に憐憫の情を抱きつつオーダーをすることにした。

「すいません、じゃ、かつ丼並を」

「はぁいっ、ナ〜ミ、いっちょう!」「ありがとうござますー!」

商品名を言わずに「ナミ」でかつ丼オーダーが厨房に伝達される。。
もはやここはかつ丼屋さんだ。何ということだ。いつの日かきっと牛丼を復活させてくれ。



それからほどなく、新たに客が店に入ってきた。

そして、彼は周りの雰囲気を読むことなくいきなり、傍若無人にも、「牛丼大盛り!」と声を張り上げてしまった。

かつ丼らん○亭」の触れられて欲しくないところを突いてきた。
さぁ…どうする!? アジアン店員!
君はこういう場合の日本語の使い方をちゃんと勉強しているのか?
最初、口にすべきは「モウシワケ、ゴザイマセン」だよ!
私は、店員でもないのにドキドキした。

「はあぁい、ギュー、オオモリ、いっちょう!」「あーしこまりましたー!」



え?

牛丼、やってるの?

そうなの?

じゃ、私。 このかつ丼食ってる私は、どうよ?



よく、『○○を食べれないなんて、人生半分損してるようなもんだ!』なんて格言がありますけど、そういう食べ物がふたつもあれば、人生半分と人生半分で人生まるまる損してることになるよね。焼サンマに牛丼…もはや私は人生をかなり損したことになるのかもしれない。(哀)