夢を見た。（放課後にて）

相変わらず内容は支離滅裂なんですが…。

僕が高校に（いや、中学だったか）通っていた頃のようだ。

教室の外から階段へ向かう途中の廊下に僕がいる。外は雨。
おかげで廊下は滑りやすくなっている。

僕は急いでいた。早く理科室に行かなければならない。
放課後になったばかりの時間帯だから、ちらほらと生徒が其々のクラスから廊下に出てきている。少し混み合っている中を縫うようにして小走りした。

気になっている女の子のいるクラスの脇を走り抜けるときは、急いでいるにもかかわらず何故か歩調はゆっくり目になる。もちろん、ドア越しにその子の所在を確認したいがための思惑。
すると、誰か他の男子とその女の子が楽しそうに話している場面が視界に飛び込んできた。

（あ！コラ！お前っ！その女性（ひと）から離れなさいっ！）
と、腹式呼吸で叫びたくなる衝動をこらえ、心の中で呟いた。

小走りでたどり着いたのは理科室ではなくて体育館の入り口。

そうだ、体育祭の準備があったっけ。

あ、着替えを持ってくるの忘れた！

…となれば、売店に買いに行かなくちゃ行けない。
しかしお財布にはお金があんまりない。
ようし、宝くじを買って当てるしかないな。

そうだ！

今発売している宝くじは高額当選金スクラッチだ。お店が閉まる時間はもう直ぐじゃないか。何とか間に合うか。急ごう！

雨の中を外に飛び出そうとしたら、さっきの女の子が丁度帰宅するところだった。
傘を持っていない僕は彼女の傘に入れてもらおうかと思案するが、声をかける勇気がない。それを見ていた別の女子生徒がおせっかいにも、
「ねぇ、私があの子に話をつけてきてあげようか？」と言ってきた。
それってお願しちゃうと後でとんでもなく噂を広げる系の展開だ。

『ねぇねぇ、知ってる？　ここだけの話だけどさぁ、○組の○○君、△組の○○が好きなんだって！　あたし、昨日ちょっとキューピッド役演っちゃったのよね。脈？　うーん、そうね、○○君の方が一方通行っぽいかも。あわれよねー？』みたいなことを言いふらすに違いない。
なんたって、あの子は「スピーカー」とあだ名がついている位だからな。
いけないいけない、油断は禁物だ。

「い・いいよ、別に。」
なぁんて、心にもないことを言う私。

スピーカーはタダでは転ばない。
「あれ？いいのぉ？こんなのめったにないチャンスだと思うよ。『交換日記をつけさせてって頼んでるよ』なんてオプションも付けてあげようか？…ツナトースト、OK？」
何というやつだ。人の弱みに付け込むなんて。。

「じゃ・じゃぁお願いしちゃおうかな、あ、軽くでいいから、軽くでダメならそれ以上はいいから…」

しどろもどろの人の言葉なんて、ほとんど聞いていない。タッタカタッタと彼女のところへ走って行くスピーカー、「○○ちゃーん、ちょっとぉ、ちょっとまって！お願いがあるんだけど…」

あー、なんか、いらんことまで言いそうだな、あの勢いは。。

「あれ、○○君、こんなとこで何してるの？」
A子登場。あだ名はダンボ。猛烈に地獄耳である。アンテナの張り方が尋常じゃないと言うか、嗅覚がアニマル並み。

「い。い・や、別に、えーっと…」

「○○君〜！　やったよ、ツナトーストね！！」
スピーカーが声を張り上げてこっちに走ってくる。
問題の彼女は首をかしげながら、昇降口に突っ立ってこっち見てるし。

だめだ、こんな『さぁ、うわさ、広がって下さい！』な展開はイケナイ。何としてもイケナイ。どうにかしなくちゃならないっ！！

よし、ここは煙幕だ！

普段から用意周到な私のポッケには煙幕がある。

「みんな、さらばだ！」

地面に叩きつけた。
不発っ！

・・・

目が覚めた。
いやぁ、昨夜は寝苦しかったね〜。