ある日の居酒屋の風景より
時たまどうしても一人で飲みたくなって出向く居酒屋みたいのがありましてね。
カウンターに座り、酒を飲みながら空芯菜を突ついてたら、私の後から2人連れのサラリーマンらしき新人と上司がやってきて隣に座ったです。
他人が何を飲み、何を食べ、何を話すのかなんてのはあんまり意識しないんだが、どうしても話し声が耳に入ってきて、苦慮する事がある。
今回、ものの見事にそのパターンにはまっちまった。
新人らしきリ−マンは、髪の毛ぼさぼさで何か地味っぽいけど口は達者。というか、上司らしき人に敬語とタメ口のごちゃまぜで話してる。彼は生ビールを頼んだ。
もう一方の係長的上司は部下の言葉に「うんうん、そうだね」みたいに相槌を打ちながら聞き役に重点を置くタイプ。しかし、その声質が裏声を出してるんじゃないかと思えるほどナヨナヨってる。んで、焼酎お湯割りをオーダー。
この二人組、つまみに刺身の盛り合わせを頼んで飲み会開始となった。
30〜40分くらい経ったであろうか。こちとら一人で来てるから店のTVを見ながら酒を進ませているんだけど、件の二人組が入店されてから私の酎ハイは3杯目を過ぎようとしていた。
若い方が喋る。「オレね、よく先輩たちに『キミ、若いのに酒けっこう飲めるよね』って言われるんですよ。」
上司らしき者が喋る。キーが高い。「うんうん、お酒を飲めるってのは大切な事だよ。」
私が心の中で喋る。(いいから、その『最初』の一杯目のビールを早く飲めよ。)
若い方。「ウィスキーなんか幅が広くて面白いね、年代とか飲み方とかあって。」
上司。「うんうん、酒に詳しいのもいつかは役に立つよ。」
(じゃぁ早くウィスキーとやらを飲めばぁ?)…そう思いつつ私は「すんませーん、生レモンハイ頂戴!」とオーダー。
若いやつ。「僕は黒糖ハイ貰おうかな?」
(ウィスキーじゃないのかよ、クソ新人くん。)
店主。「黒糖ぉ?」
若ぇの。「黒糖って焼酎ですよ、それのハイボール」
私の反対隣りの客「店長ぉ、黒糖焼酎って種類ね、黒糖なんて銘柄はないよ。」
店主「ウチにはその黒糖ってのはないよお客さん、麦か芋ね」
若いやつ。「芋って、何がありますか?」
店主「島さくら」
若いの。「いいね、いいのあるじゃない、じゃ、それ緑茶割で」
(このお店の独自ブランドだから、あんた知らない筈だよ)
反対隣りの客「飲むならロックか水かお湯割りじゃないと味が楽しめないじゃないの」
…まぁこんな感じで、いちいち腹が立ったが、その二人組『以外』の皆が苦笑いしてるのが面白かった。
なんて言うかね、『壁に耳あり』ってなわけじゃないが、ヒトのふり見てナントヤラ。
自分も何時何処で誰に揚げ足取られるかわからないから、言葉や態度には常に意識を配ってないとダメじゃないかと思ったりした。
(とは言え、酔っちゃうとコントロール曖昧だもんね〜。精進精進。。っと。)