スギちゃんとプレスリーと松田聖子


スギちゃんがあまりにも有名になってしまったが、彼の芸風『ワイルドだぜ〜ェッ!』っと、語尾で声がひっくり返る例のやつね、あそこに「ヒーカップ唱法」を連想してしまった。


あれ、元ネタ(と言うのがあるのかどうかわかんないけど)は、ロカビリーとかの50'sとか60'sに見られるやつに似てると思うんだが。。。判ります? 
エルビス・プレスリーとかが得意としていたアレです。
しゃくりあげ歌唱とも言われてました。




Elvis Presley - Baby Let's Play House 

スギちゃんのひっくり返りフレーズには、その匂いがあるんだな。スギちゃん自身が編み出したネタなのか、それとも事務所が提案したネタなのか。。。
芸人さんのネタについて事務所側が「こういうネタで売ってみない?」などと提案する事なんてことはなさそうだし、スギちゃん自身が作ったんだろうと思うんだけどね。それでも、「事務所との関わりなんてのもあるんじゃないかな?」なぁんて思ってしまうのだ。

何故か。

スギちゃんの所属するサン・ミュージック、そうです、あの「サン・ミュージック」です。70年代から80年代にかけて特にブイブイと息巻いていた事務所ですわね。
あの時代に勢い付いた芸能プロダクションとか広告代理店等の社長たちって、何気にロカビリー全盛旺盛な時期に青春謳歌した方々って多いじゃないですか。ほんで、自分たちの中に深く浸透した「印象的部分」を「ウリ」の題材に使ってみたくなるんではないかしらん、と。

まぁ、要するにあれだ、昨今のCMに使われてるBGMが80年代とかの当時売れてた(もしくは当時マニアックに売れてた)曲などだったりするじゃないですか。そういうのに出くわすたびに、(あ、俺と同世代のやつがCM作ってるな!?)などと思ったりするんですわ。それと同じような匂いです。

今60代、70代な諸先輩方がヒーカップをモチーフにしたネタが受けるやもしれないと、そのネタでTV界を賑やかせてみようと思ったりして。。。そりゃないか。



でもね。



サン・ミュージックで思い出したんだけど、松田聖子先生。いわずもがな、彼女はサン・ミュージックにて売り出したモンスター級アイドルである。
彼女こそ歌謡界(特にアイドル界)にヒーカップ唱法を導入したパイオニア的存在じゃないかと。


それまでの往年のニッポンの歌謡界を俯瞰した時、なんたってニッポンは演歌の国だ。
演歌にヒーカップは似合わない。ニッポンにはコブシという強力な歌唱法があったんだよね。
しかし、その後聖子先生によって、物凄い変化が起きた。

自分の記憶が正しければ、アイドル黄金時代に突入したあたりから、カワイコ系アイドルが皆んなして舌っ足らずなしゃくりあげ唱法を多用してカワイコ・アピールを開始した。
多分、その元祖は松田聖子大先生であったと思われる。
それまでのアイドル、例えば百恵さんやら安西さん(あ、ちと古典か)辺りにはセクシー歌謡路線はあっても、ヒーカップはなかったんだよね。聖子ちゃん辺りから多用されるようになったんじゃないかな?>珊瑚礁
それ程聖子ちゃんの存在と言うか、歌い方は強烈なアピールだった。
(ってか、今復習して改めて感じたけど、この曲は「ヒーカップてんこ盛り」じゃんけ!…その後の聖子ちゃんヒッツのナンバーを聴いてもここまで執拗にヒーカップしている曲はないなぁ)

「あ〜〜、わたっしぃのォッ、こぉいわぁ〜〜〜♪」の「ォッ」の部分。
ここが「ワイルドだぜ〜ェッ」の「ェッ」の部分と共通項ね。
二重線引いときましょう。

そしたら当時の皆んな、猫も杓子も聖子ちゃんカットになって、パーカーシャツ着て、デッキシューズ穿いて、ブルーのアイラインをひくようになって、ヒーカップになっちゃった。
声をひっくり返しさえすれば、「カワイイ」になれた時代がやってきたのだ。
恐るべしヒーカップ聖子。

では、だれが聖子ちゃんにヒーカップを植え付けたのであろう?
ご自身で編み出したということも考えられなくもない。が、世は次世代アイドル創世記、この時は事務所などの発言力が強烈で、きっとご自身のアイディアなどは中々通らなかったのではないかと推測できるのである。
この辺がお笑い芸人とは決定的に異なる。

おっと、ここにサン・ミュージック。

さぁ、後はあなたのご想像にお任せしよう。。。てんてんてん…っと。(^^;