愛機のベース・ギターが壊れちゃったので…。

どうも先週から、性質の悪い風邪をひいたというか、頭がぼぅっとしちゃいましてね。
トラブルなんてのは、そういう時を狙い澄ましたかのようにやってくるもんなんですな。

自分の愛用する楽器(エレクトリック・ベース)が壊れちまったです。


何処がかと申しますと、ペグってやつ。
ヘッドの部分にある弦を巻きつける部材です。


その日の朝、弦を交換しようとペグを巻いてたら、いきなり空回りし始めて、全然巻けなくなってしまったです。


「げっ!」


実は、私ったら数日後にこのベースを持ち出して演奏する機会が予定されてまして。。
このままでは、演奏できないという事態になっちまったです。
ただでさえ熱っぽいのに、加えてこの状況。ぬぉぉ!っと、舞い上がってしまった私は、ともかく以前楽器のリペアをしていただいた方に連絡を入れることに。。。


…! 「お忙しいところ突然の電話で申し訳ございません。ペグが壊れてしまいまして、急を要するのですが、診てもらえますでしょうか?」


「とにかく、壊れている部位を撮って、メールで送って下さいますか? そこから判断いたしましょう。」


私はさっさとデジカメって、リペアマンさんにメールした。


間もなく返信着信アリ


「えーっと、最短では1時間弱でワッシャー交換で出来るかもしれませんが、状況からして折れている可能性が高いですね、とすれば交換になります。当初のオリジナルのものは既に存在してませんから、似たようなのを見つくろってあてがうことになりそうですね。巧く合えば直ぐに直せますが、場合によっては加工が必要かもしれません。そうなると2日〜5日位必要になる場合もあります。」


うー! 最悪でない事を祈るのみっ。


「わかりました、ともかく持っていきますので、よろしくお願いいたします。恐縮ですが、本日はお時間ございますか?」


「ごめんなさい、今日は結構立て込んでまして、えーっと23時半位になれば空いてますが。」


いや、そりゃ無理だ。こっちが。


「えと、では、近々で昼の時間帯でお会いできる日はありますでしょうか?」


「そうですねぇ・・・じゃぁ3日後に。」


「ありがとうございます! よろしくお願いいたします!」




さぁ、問題は、持って行ってその場で治れば最高だが、3日以上かかるようなことにでもなれば、ステージに間に合わないことになる。


もしそうなったらどうする!?


レンタルするか?
誰かに借りるか?


いやまて、早々直ぐに借りれるものでもないし、他人の癖が沁み込んでしまっている楽器を借りても、残された時間の中でちゃんと自分なりに弾けるとは思えない。
くそう、サブの機材としてもう一台買う方が無難ということか。。。


どうしよう、、、おかね。 マニー。



いやさ、そういう問題じゃないな、もはや必要経費だな、皆に迷惑掛けられないもんな。


うしっ! 


最悪を想定して、買う買わないはともかく、ベースを物色しに行こう!!





気分は既に、諦めからくる「一台購入モード」に突入してしまっていた。


お茶の水に直行ー。


弦などの購入で茶水に行く事は何度かあるが、楽器の購入目的でこの街に足を踏み入れるのは、うーんと、実に20年ぶりくらいじゃんけ。
ベース・ギターともなれば、私の持っているIbanez(「イバニーズ」と当時は呼んでました)は1983年製ですから…まぁ、推して知るべしですな。(^^;



先ずは有名どころのイシ●シ楽器へ。
お客が女の子ばかりである。
店員「やぁ、カノジョはベースを探してるのかな? うん、なになに?初めて?そうかぁ、じゃぁさ、おこずかいはいくら持ってきたのかな〜?」
まず、このバカっぽいトークでへたれてきた。
客女子「やっぱさ、ジャズベとかがいいんだよね!」
店員「お、キミ、わかってんじゃ〜ん!」
あ、だめだ、知ったかぶる女の子も店員といい勝負じゃんか。
私はさっさとその店を後にした。



隣らしき下●楽器へ。
まずい、これまた女の子が慣れぬ手つきで、フェンダージャズベースらしきものを弄っている。
「どう?良い音するでしょ?」店員が言う。
「うん、でも、ちょっとどれが良いのかわかんなくなってきちゃった☆」
「そういう時はね、ぴぴっと感じたものを選ぶと良いんだよ! どんな色が好き? 最終的には見た目だからさ!」
あ、ここもだめだ。
なんなんだ!? 客をカモにしてるとしか思えんわ。
私、店を出ました。



こんな調子で数店舗の店を覗いた。
いずれもひどい。
段々、どうでもよくなってきた。
危険な兆候である。
そんなわけで、とりあえずはこの日は何も買わないで帰宅する事にした。





1日置いて、仕事帰りに今度は新宿方面の楽器屋さんに顔を出した。
ちょっと真面目にベースの音色の比較をしてみようと思った次第。


島●楽器に行きまして「CoolZ」というベースを弾いてみた。気合の made in Japan である。
凄いコスト・パフォーマンスだと思った。
作りがしっかりしてるし、何しろ音の抜けが良い。しかも高音域の粒までしっかり抜ける。
難点はちょっと最近風のトレブルの効いたトーンであること。
もちろん、アクティブに切り替えて音の調節をしてトレブルを抑えることも可能だが、そうすると音の抜けがあんまりよくなくなってくる。でも11万円でこのレベルは驚きだ。


外国製の「アトリエZ」の15万とか20万とかを買うならCoolZの方が素晴らしいね。
アトリエZも人気のメーカーなんだけど、CoolZを試した後では大人しく聴こえたです。


けいおん」が流行ったせいもあるかもしれないが、店頭から「プレベ」がほとんど消えている。「けいおん」のおかげで「ジャズベ」が思いっきり主流だ。
ジャズベースってプレシジョンベースから比較すると音の加工がしやすく、トレブルが効いてる系のビビビトーンだ。こういうのが流行っちゃうと、そもそもの先輩ベースのプレベは脇に追いやられてしまう傾向がある。こっちの方が直球で潔い部分もあるんだけどね。脇に追いやられると、ラインナップも貧弱になってしまうわけでして。。。
なので、数少ないプレベを試してみたけど、ピンとくるものがなかった。
プレベのちゃんとした奴は凄くパンチのあるベースだと思ってたのになぁ。
良いやつは良いのだ(高いけど)。もっと入荷候補に挙がって欲しいもんだ。
(聞けば、昨年の我が国の楽器輸入量は過去最高だったんだって。ブームである事は間違いないね。なのに、偏りがあるってのが悲しいさ。)


今回初めて知った「シェクター」。高いのを弾いたけど音色バリバリで好みにあらず。


リッケンバッカー」をも試した。いずれは「一生もの」をの筆頭に掲げていたんだけど、 あれは大音量でステージで弾いてナンボの楽器であることを再確認。
メンテの煩わしさも考えると、決してご家庭には向かないということが判明した。


「スペクター」っちゅうのも試した。面白いことに、USA製、チェコ製、韓国製で10万ずつ値段が下がる。
チェコ製は非常に精度が高く作られており、USAにこだわる必要はないと感じたが、これも、ちょっとメタル系に好まれそうなトーンだ。
僕、メタルも好きだけど、メタルばっかりやるわけじゃないのでNGにした。


ミュージックマン」。
音色は好きなんだけどね、弾き辛い。


「ワーウィック」。
想像していた以上に大人しくて、つまんなかった。
中域の音がしっかり出てるので、そういうタイプのを好みの方なら、喜ばれるんじゃないかな? ただ、僕的には好み外。


「現行のIbanez」。
だめ。大人しすぎる。自分の使っているのとのあまりにもの乖離に驚いた。どした!?Ibanez
製造を基本的にインドネシアにしてしまった影響もあるのかもしれない。ちょと残念だな。
Ibanezのフラッグシップモデルになると、和製で結構しっかりしているものもあるらしいんだが、店頭になかったので試せなかった。そいつが良いものであってほしい。



うん、ともかく、色々試せた。
個人的な気持ちの上では、もし万が一、どうしても買わねばならないという方向になったら、「サブ機材」という位置づけでCoolZ辺りを買ってみようかな?等と思った。。


・・・


で、問題のリペア持ち寄り日になった。
緊張しながら愛機を携えリペアマンさんのところへ。。。



結論:ステージに間に合う! 治るっ! やたーっ!



何とか規格に似たペグが見つかりまして、そいつが代用出来る事が判明したです。
ほっとしたね〜。


過日のベース物色の旅は、ま・まぁ、それはそれで勉強になったっちゅうこって。
(^^;


・・・



追伸:
初めて楽器を買おうと思ている少年少女たちよ、悪いことは言わん、量販店に行くよりも専門店に行くべし!
たとえ予算が1〜2万円だとしても、店員さんに対して素直にお話しできれば、しっかりと応えてくれるよ。
わからないこと、疑問に思った事はどんどん店員さんに聞こう。それにちゃんと応えてくれる店員さんなら量販店でも良い。適当に口を合わせているような雰囲気があったら、勇気をもって退店なさい。結構そういう店員が量販店には多いからね。
テキトーな店員に踊らされるんじゃないよ。
がんばれ(^^;