「Stray Dog」…70年代にして中々フックの効いたロックバンドですぞ。


Stray Dog - Drive My Car


古いんですが、トリオ編成でかっこいいバンドの一つ。
「ストレイ・ドッグ」っての、如何でしょう?
シンプルなスタイルって、かこいいのです…とは言え、多重録音をぶっこいているから、ライブではかなりしんどい部分があったのではないかねぇ。そんな風に推測しておるのです。


ここのバンドの特徴とも言えるけど、ブレイクやリフの加減。実にスリリングなのだ。


ちなみに言うまでもないことですが、80年代に流行ったストレイ・キャッツとはまるで違う。(^^;


結構コアなファンがいるらしいんですよ、ストレイ・ドッグ。最近知ったんですけどね(笑)。
何でも、彼らはELPの前座を務めたりした経験があるとか。
ふむ、そういう情報をもとに、もう一度じっくり耳を傾けてみると…



…いや、全然路線違うやんっ!!



 彼らのサウンドはむしろ、ロビン・トロワーとか、パット・トラバースの路線にあるべきで、ジミヘンとファンクとフュージョンを足して3で割った方向性にあると思うね。
…おっと、そんなこと書いていたら、急にロビン・トロワーとかパット・トラバースが聞きたくなってきたな。(笑)


音楽的な技の一つ「ブレイク」。ストレイ・ドッグは間違いなくその辺りの使い方にたけていたバンドの一つだったと思います。


ブレイクってのは、フックみたいなものでしてね。


例えば、人が道を歩いているとき、意識はしていないと思うけど、皆其々に歩行のリズムってのを持っていてさ、それを各人がリズム・キープしながら歩いているんですよ。


で、人間、皆が同じ「タイム感」を持っているわけではない。ので、混雑している駅のコンコースなどでは、前の人に異常接近したり、後ろから追い抜かれたりして、そのたびに「あ〜!もう!トロトロ歩くなよ!」と、思ったり思われたりしてるわけですな。


ついでに言うと、前から歩いてきた人とすれ違う時に、こっちが左によけて、向こうが右によけて、結果、よけた筈なのに接触事故になったりするのも、リズムの違いの一種でしょう。


面白いのは、大音量でBGMを流しているパチンコ屋さんの前を通りかかると、例えばそこで「軍艦マーチ」が流れてたりする。と、歩いている人たちがみんなそのビートに歩調を合わせてしまう傾向があると言う事。
誠、音楽の影響力は、群衆の歩調をとりまとめてしまうと言うようなパワーを内包しているんですね。


ちょっと脇道に来たか。えっと、そこで「ブレイク」。


これって、「立ち止まる」ってことです。
それで振り返ったり、時計を見たり、地図を確認したり、知ってる人を見かけたりして、「一旦違う動作」に入る。そして、また歩き出す…のですが、こういう一旦違う動作を噛ませると言う「フック」が「ブレイク」なんだな。


当事者は立ち止まる必然があるけれど、他の歩行者にはその人がいきなり立ち止まった真意が最初は判らない。
その人が何をしているのか見ることで「ああ、それで立ち止まったのか」とか「何で立ち止まるんだ、危ないな〜」と色んな感想を持つでしょう。でも、等しく言えることは他の人には「緊張」が発生すると言う事だ。で、再び歩き出して「ほっ」とする…と。


この「緊張」の技が、音楽でのブレイクにもある。
リスナーに緊張を与えることで、曲のメリハリが立ってくるんですよ。その一方で、やり方を失敗すると、不愉快極まりないことになってしまう。
この辺のさじ加減が、なっかなか難しいんだけど、このストレイ・ドッグはかなり上手なプレイヤーではないかと思いました。



音楽に限らないことだよね。


人生、立ち止まり方は、結構大切な要素のひとつ♪ってね。



…ってか、ここまでいじってしまうと、原曲が何だかわかんなくなっちゃうじゃないですか!
あ、それでもいいのか…(^^;;