今更ながらの「ブレーメンの音楽隊」
ちょっとした拍子に本屋さんで漫然と絵本をあたっていたら、「ブレーメンの音楽隊」ってやつに手が伸びちゃいました。
(これ、昔読んだことあったけど、どういう話だったっけ?)
それがきっかけ。
サッパリ思い出せないので、復習方々読み直してみることにしました。
立ち読み〜。。
・・・(読書中)・・・
…ふむ。
先ず、強烈に驚いたことがある。
「ブレーメンに行って、音楽隊に入ろう!」というキャッチ・フレーズで動物たちが旅をするというこのお話、結局はブレーメンに行きやしないで終わっちまっているんだな。
それじゃタイトルに偽りありでしょ!?
行くメンバーも凄い。
最初はロバ。そして、犬や猫や鶏がメンバーに加わるのだけれど、その加わり方が物凄く「たそがれ」ている。
そもそも、主人公と思しきロバは、飼い主に「もうお前は用済みだ、老いてしまって使い物にならん」と烙印を押され、売り飛ばされそうになるところを命からがら逃げるのがスタートだ。
で、その後、遭遇する犬や猫や鶏も、すべからくがオーナーから「見限られ」て聴牌った状態で、立場の意識を互いにシェアし、徒党を組むことになるのである。
向かう先はブレーメン。再起をかけるのである。
つまりは、現状究極の窓際集団と言うか、アウトサイダー前夜集団なんだな。
見捨てられる前にこちらからドロップ・アウトする。そこに彼らのぎりぎりのプライドと言うか主張が見え隠れする。(って、そんな大業なものでもないか…苦笑)
で、彼らは道々、とある宿を見つける。
盗賊の家らしい。
実際に住んでいたのが盗賊だから良いものの、いきなり盗賊の家と決めつける辺りも凄いし、いくら盗賊の家だからと言って、いきなりその家に奇襲をかけて彼らの食べ物を奪うばかりか、その家を占拠してしまうとういう暴挙は、どうなのよ。
ともかく、恐れをなして逃げて行った盗賊たちは、二度とその家に戻ってくることはなく、結果、4匹の動物たちは、そこで何時までも幸せに暮らしましたとさ。<チャンチャン♪> …なのである。
おいーっ! ホント、それで、良いのか?
<チャンチャン♪> になるのか?
結局、このお話の教訓と言うものは、一体なんだったのか、サッパリ皆目見当もつかなくなった。
この流れで言えば「ブレーメンの音楽隊」ではなくて、「ブレーメンの音楽隊への入隊希望者たち」の方が適切なタイトルだと思った。
いやいや、無理やりにでも教訓を考えてみると、仮説ですが…
『老いて、使い物にならなくなったと烙印押されても、手をとりあって一致団結すれば、まだまだパワフルに行けるぜ!』
…こういうことになるなのかな?
だとすると、子供向け童話ではなくて、大大人向け童話ということになるじゃねぇか。
子どもは読んではいけません。ン十年早い。