アイロンでケチがついた備忘記録

 考えたら、私が使っているアイロンは、買ってからもう10年以上経っている。パッと見た印象では「つい先日買ってきたんじゃないのか?」と思えるほど小奇麗なのであんまり古いという印象は持っていなかったんだ。ただ、時々アイロンをかけていると、なんか、生地を巻き込んでしまって、シワが余計に増えてしまったりすることがあったんで、テフロン加工かなんかは知らんが、底面の部分剥げがあるのは認識していたつもりだった。。


 で、先日Yシャツのアイロンがけをしていたら、今度はスチームの「ブシューッ!」ってやつで、別にスチームのスイッチを押したわけでもないのに「ブシューッ!」と蒸気が出て、なおかつボタボタと本体から液体が漏れて、件のワイシャツに滴ったのである。しかも、それ、妙に茶色い液体。サビの液体か?
あわてて、水道水に汚れた部分をさらしたが、どうしても落ちない。


いかぁんっ!
このシャツ、まだ一回しか袖を通しておりません。


あまりに不愉快になったので、新しいアイロンを買うことにしました。
いえ、最初は、分解して掃除でもしようかと思ってたんですが、分解しようにもドライバーが上手く回らないと言うか、ネジ山がさびてるというか、どうにかしてしまっているのでしょう、びくともしやがらんので、諦めたのでーす。


さぁて、買うとなったら、何を買おう。


やはりあれか、最近TVでもよく見かける「右にも左にもす〜いすい♪」な、アーモンド・パンみたいな形状した、あのアイロンか。。。


 商品名は判らんが、おおよそのイメージを頼りに販売店に足を運んだです。


 件のアイロンは直ぐにそれだと分かったが、アイロン界も値段的にピンキリであることを知った。
なにしろ、いっちゃん安いのは1,200円程度で購入できるし、高価なものになれば、ン万円もするんだぜ。


 アーモンド・パンのような例のアイロンは、ほぼほぼ1万円の商品ですわな。


しかし、数千円のアイロンだって、充分にアイロンである。
左右に自由に動くと言うだけで、倍以上のお金を落とす必要があるのかどうか。


自問自答して、『必要なーし!』と、結論した。


・・・


でも、新しい機能と言うのには興味がそそられる。


(どれ、ちと、グリップでも確認してみようか。)


持ち上げた瞬間、手がすべった!


(あ! まずい!)


このままでは落下して、下手すりゃ損壊してしまう!
それは何としても回避しなければ!


(あ…落ちてく…、くそうっ、膝で何とか衝撃をやわらげようか!!)


膝を出しながら、アイロンが落ちていくルート上に自分の脚を緩衝剤のように仕掛けようとした。しかし、あの、アイロンの先っちょが真下に向いている。


(やばい、これは猛烈に痛いに違いない、脚、引っ込めようか!?)


そんなことを一瞬考えたが、躊躇は動きを鈍らせた。
アイロンを腿で食いとめるつもりが、膝で食いとめる形になってしまい、膝のお皿近辺に先っちょがグッサリと刺さった。


いって−っ!!”


思わず、脚をはね上げる。
アイロン、膝からバウンドする。
ゆるいカーブを描いて、当初予定とは違う着地点にガッシャンした。



分解。



私、膝を抱えてうずくまる。



店員さんが「大丈夫ですか?」と寄ってきた。


う・・・う・・・。「アイロンが落ちてきて。。。」
本来なら、アイロンを「落として」と言うべきだったか。


しかし、負傷した私を気遣ってくれ、損壊したアイロンについては何も言及してこなかった店員。申し訳ないので、その商品でない別のアイロンをお買い上げした。4,780円。


アイロン生活は、これで順調に行くかもしれない。


しかし、痛めたYシャツは戻ってこないし、痛めた膝は…いつかは治るだろうけど痛ぇなぁ。そうそう、懐も痛いわ。(^^;