海賊盤と「Rick Derringer」

海賊版つながりで、さらに思い出してしまいました。

 実は、スコーピオンズの「東京テープ」を買った日、私は勢いでもう一枚買うことにした。それが「リック・デリンジャー」のライブ盤だった。もち、海賊エディション。
少なくとも、当時、私の周りでリック・デリンジャーを知っている人は皆無に等しかった。まさに、我こそが「第一発見者」になれたのである!
(当時はそういうのってとっても大切な要素だったんだよなー)

リック・デリンジャー」・・・正直、この時までその存在を私も知らなかった。
まさに典型的「ジャケット買い」。
ジャケットに映っているデリンジャーのポージングがかっこよかったのだ!
ぱっと見た感じでスージー・クアトロのご兄弟か何かと勘違いもした。
で、そういう勘違い的サウンドを勝手にイメージして購入した。
結構、サウンド的には合っていた(笑)。


誰かが言ってました。誰だっけ???・・・


・・・あ、思い出した。学生時代の友人ギタリストN君だ。


「どんなヘッポコバンドのロックアルバムでも、一枚に一曲はかっこいいのがある!」


これ、当時の私には物凄い名言であった。格言と言ってもよい。
それを信じていたからこそ、「ジャケット買い」もためらわずにできたんだろう。今思えば、ものすごく「おこずかい」が少ない時代だったんだから、極めてハイリスクだったのだと思う。うんうん、N君、ありがとうっ!


いや、まて、そうじゃなくて、もしかしたら、全曲外れになってしまった場合でも、なんとかして「この曲は素晴らしいに違いないっ!」とかなんとか、自分に言い聞かせていたパターンがあったのかもしれない。まだ耳、肥えてなかったし、純白風だったし。。。


で、リック・デリンジャーのこのライブ盤、お世辞抜きで、実に凄い出来でありました。
6割方は私には退屈な楽曲だったけれど残る4割が凄すぎた。
ツインギター形式のアメリカン・ハード・ロック・バンド・・・ワイルドで、ストレートなのであります。確か、ドラムスもカーマイン・アピスの弟かなんかだったと思うし。。間違いなくこの頃のリック・デリンジャーは「かっこいいギタリスト」だったと思う。
このアルバムの中で印象に残ったのは3曲だった。


「セイラー」
このカッティングの妙技!素晴らしかったなー!!
ちょいとワウを聞かせてね、さらっと歌いながら、エッジの効いたリフをガツンと聴かせるミスマッチの妙技がたまらんかった♪


「ビヨンド・ザ・ユニヴァース」
もう一人のギタリスト、ダニー・ジョンソンとの掛け合いがすこぶるよろしい。
これでゾクゾクしなかったらおかしいっ!ってくらいにかっこいい。


「ロックンロール・フーチークー」
言うまでもなく、彼の作品の中では最も有名な一曲でしょう。
このライブでは、ユー・リアリー・ガット・ミー(キンクスVer)とメドレー式になっているのがニクイ!
『マシンガン奏法』とかいう速弾きもご披露していただいたし・・・というか、ベンチャーズの『テケテケ奏法』との区別がつかない私だったが。。



その後、リック・デリンジャーは、マイケル・ジャクソンのビート・イットのギターを担当したE・ヴァンヘイレンに対抗してか、パロディ版のアル・ヤンコヴィックのイート・イットでギターソロを弾いたのは有名。
・・・切なかったなぁ。お笑いに行って欲しくなかった。これが偽らざる私の真意。(^^;


でもね、「ロックンロール・フーチー・クー」はやはり名曲なんだと思う。
思えば2009年には、「Superfly」がこの曲のカバーをライブで披露したとか。
判ってる人たちは判ってるっ!・・・このことを聞いた時は人ごとながら妙に嬉しくなったっけよー♪



ライブ音源そのものが見つからなかったので、スタジオ版の素敵なのをひとつ!


Rick Derringer - Rock & Roll, Hoochie Koo