Erik Satie

shimoshinmei.JPG 環境音楽とか癒し系とか色々言われてるけど、個人的にはちょっと違って聞こえるサティ。
早弾きとかテクニックとかの方向ではなく、「必要最小限の音数で音楽を」という手法で新境地を切り開いた稀有の現代クラシック作曲家(ピアニスト?)ですね。


Gymnopedie No.1


Gnossiennes No.1


 この2曲、多分、皆んな知ってると思う。有名ですもの。
「癒し」の源流として捉えている人も多いと思うけど、私の場合、なんか物凄く退廃的な寂しさみたいのを感じて、心は落ち着くけれど、どうしようもない孤独を感じてしまうんだ。時と場合によっては恐怖すら覚えるです。

『シャボン玉が宙を舞い、弾け、そしてまた次々とシャボン玉が舞い、次々と弾け、いつ終わるともない繰り返しの映像が、古いモノクロフィルムの傷と一緒に「正しくない」速度で映写されている。』
そんな光景(イメージ)が脳裏に広がるです。

 そうだなー、バーズやドアーズが『ドラッグ的サイケデリックなトランス状態誘発タイプの歌』とすれば、サティのそれは『メンタル病的エキセントリックな抜け殻状態誘発タイプの歌』じゃないかな。

 つまりね、タイプは異なるのだけれど、行き着くところは、リスナーの心に不思議な波風をたてるサウンド構成なのである、ってこと。

心が落ち着くのだけれど、血が騒ぐというか・・・そういうことね。