その郷土料理居酒屋の謎と教訓

仕事のもやもやを解消すべく、上司や先輩と連れ立って飲みに出かけた。
「お、ここの店、新しいね、入ってみようか!?」
上司の方のこの発言で、「お、いいっすねぇ!」などと、問答無用に暖簾をくぐる我ら。
店の名前は「青森郷土料理ねぷた」とあった。

 そうそう、ここのところ、仕事場の周りでは、にわかに郷土料理居酒屋が増えてきている気がする。先日も「土佐料理なにがし」なんて店がオープンしたとチラシが配られていたし、「沖縄料理」とか「道産子料理」などといったその手の「はしり」のような店は既に何件もある。

 青森料理か・・・私は、青森県は行った事が無い。青森出身の人は何人か知っているが、青森料理となるとあんまり知らないなぁ。。。
 あ、そだ、ぬるぬる系のご飯にかけるヤツは知ってる。「ねぶた漬け」とか言ってたような気がする。東京関東では、正月料理としてよく食べる「松前づけ」ってのがあって、「コンブ・スルメ・ニンジン」に醤油・砂糖・お酒・みりんでもって漬け込むヤツ。これが数日後には程よくぬるぬるになるのだ。結構好き。「ねぶた漬け」は、この松前づけに加えて、キュウリとかキャベツなどが細かく刻んで混ざっているようなものである。もうもう、ぬるぬるで、しょっぱーい!のである。しかし、ご飯は激しく進む。
 そうそう、青森なら避けて通れぬ海の幸があるよね。マグロだ!
何とか岬で採れたマグロとか仕入れてるんかなー?
 おっと、お酒はやはり「田酒」でしょ。「じょっぱり」も有名だわな。
なぁんだけっこう、知っているじゃないか青森料理!・・・(?)

 こうして私は色々と思いっきりイメージを膨らませて暖簾をくぐった。
店内には「どんどこ!どんどこ!!」と祭囃子が鳴り響いている。いいぞ。
店員の女性が、もんぺ姿のような格好でやって来た。ん?背がちょっと高いな。。。あれ?

「いらったいまてー!」

(はぁ?)

「ごちゅもん、どぞ」

アイコンタクトする我ら3人

「・・・あ、じゃ、とりあえず、ナマみっつ。」先輩が言う。

「あいー、ごちゅもん、はりまちたぁ、なまみつぅ!」

イケません、
これはイケません、
急激に青森が遠くなりました。
異国の地に連れ去られてしまいました。
メニューに「トムヤンクン」とか、「生はる巻き」とか、「ショウロンポウ」があっても不思議じゃないと思いました。

それでも何とか我慢して、2〜3の食べ物を食し、熱燗を2〜3合飲みまして、店を後にしました。(別の店に移動。。)




夜。
そのアジアン的青森店で食べた「アナゴの柳川」がよくなかったのだと思う。
(生臭かったのを目をつぶって食べたし。。。)
お腹壊れました。七転八倒しました。(泣)


教訓;やっぱりあれです、勢い一発で新しい店に入るのには、色んな覚悟が必要です。
   覚悟がなければそのお店をスルーしましょう。それが身のためです。