倉木麻衣の『一秒ごとにLove for you』の話

　もっとも、倉木さんについて言うなら、アンチ宇多田だとか、そんな時期があったことを回顧する必要に迫られてしまうけど、悲しいかな、私はその頃の倉木さんには、トンと興味がない。もっと言ってしまえばその頃の宇多田さんにも興味がない。

　そのためか、この曲を知るまでは全くと言って良いほど彼女の曲をマジ耳にすることはなかった。彼女の歌は下手ではない、いや、間違いなく上手だ。でも何でダメだったかと言うと、声質が「すかすか」っぽくて、私の耳に残らないタイプだったのが苦手意識を高めてしまったのかもしれない。それで興味を湧かせなかったんだろうなー。

　で、どういうカタチであれ、一度烙印を押してしまうと、その「印象」ってのは中々改める事が難しくなるものでして。
先入観が出来てしまうと、次に聴く「チャンス」がくる確率は非常に低くなってしまうのだ。これは、倉木さんに限らず誰にでも言えること。先入観を作ってしまうと言うことは実に恐ろしい。

Q；では何故、今一度聴きなおすチャンスに恵まれたのでしょう？

A；昨日は腹が減っていた。

腹が減っている時に限って、仕事が連打するんだ。そしていよいよ腹が減ってくる。
やっと仕事が終わった時には随分遅くなってしまって、家に帰るまでご飯を我慢できない。

（えーい！くそう、カレーでも食って帰ることにしよう！）

こうして行きあたりばったりでカレー屋さんに入ったワタクシ。
ビーフカレー850円、サラダ付けたら1,000円になったではないか。
出てきたカレーの量と味で憤る。

（おいー！これなら私は500円以上払う気はないどっ！！）

でも小市民の私は、「ワンコイン返してちょんまげ！」という勇気なし。心で泣く。
黙って、大事に、大切に、少量のカレーを少しずつ、良〜く噛んで食べることにした。
その店内では、何か知らんがヒップホップが流れてた。日本の。これがまた不愉快。カレーに合わん。

（もちっと、ましなBGMには出来んー？）

カレー屋さんなんだからさー、そこのスピーカーから聞こえてくる「(yo) dont stop! (hey) get it! (aha) get it! (aha)」・・・そのけしかけるようなフレーズ、止めてくれ〜、むさくるしい。ってか、カレーなんだから、インド音楽とかのが雰囲気出るじゃろ、シタールびよ〜んとかさー、ミャミャミャミョーーーン♪ルピーーー♪・・・なんてね。
聴きたくないか。

でも、良く噛むというのは大切ね。

噛む作業、一生懸命すると、脳が活性化して、お腹は少量で元気一杯なってくるね。

お腹満ちると憤り和らぐね。実に不思議ね、人体の神秘。

そんなこんなで、グッドなタイミングで次の曲がBGMに流れてきた。
しかもかなりの大音量。

「おろ？このビートの効いた、キャッチーな曲は何ですのん？」

店員さんに聞いても、「ゆうせんだから分からない」。

こうなるといよいよ気になってくる。

曲の歌詞の一部をメモして帰宅し、それをキーワードにネットでググってみた。
ら、キーワードの「まんま」の曲名がヒットしてきた。

こうして倉木さんの曲に再会っちゅうわけでして。

うん、いいね。ちょっとまだ「すかすか」声質加減は残っているけど、大分タイトである。
アップ･ビートの雰囲気といい、彼女は素直にバラードとかではなくて、こう言ったポップ･ロック路線で進んで欲しいと思ったなー。断然この方がカッコいいっすよ。もっとガッツリ系のサウンドに、シャウトなんかも入ったら、完璧にファンになっちゃうけど･･･ま、彼女の場合はそう言う芸風はしなさそうか。
とにかく、へろへろしためめしい歌詞のバラードなんかつまんないじゃないですか。大体ね、めそめそした歌なんかじゃ誰も救えません。いいとこリスナーの共感を呼ぶだけ。だからアッパーで行きましょうよ。気分がアッパーになるってのが、人生やってく上では大切なことなのだよ。これ、最近の私のポリシーなのだ。

　この曲が売り出されたのは2008年夏なんだって。当時オリコン上位に食い込んだと言うのだから、それなりに認知度の高い曲なんだよね。ってか、TV番組「名探偵コナン」繋がりだよな、はい。（＾＾；
　そういうことに「い・ま・ご・ろ」気が付いているというのだから、我ながらアンテナの感度が落ちたもんだと思う。いかんなー。。

　あ、そうそう、宇多田さんも、なんだっけ？マグネチックだっけ？ちがうな、メタルチックだっけ？・・・えっと、ちがうな。。ま、いいや、その辺りの頃の曲は苦手だった私だけど、NHK「みんなのうた」で紹介された「ぼくはクマ」は非常に好きなのだ。で、その辺から彼女の歌が好きになりました。

つまり・・・
単純に、私ってば、かなりのロー･スターターなのかもしれない。
それだけのことか？そうかそうか。。。