ちょっと聞いてくれ。

「今日は寒いから身体の内側から温めるお昼にしよう!」
そう決めて先ほど『坦々麺』を食べようと中華料理屋さんに足を運びました。
間もなく赤々としたスープの、いかにも効きそうなのがやってきまして、
(こいつにコショウをかけて更にレベルUPだ♪)
とばかりに、容器を取り上げ『パッパッパッ』っとやりました。



坦々麺の上に 「つまようじ」 が散乱しました。



なんと。



「コショウ瓶」が一瞬にして「つまようじ入れ」に変わってしまったではありませんか。



…違います。
【容器】エラーだっぴーや!



思えば、事態が勃発したときに「間違えちゃった、てへっ♪」とか何とか言ってしまえば、周りにちょっとした笑いを提供するくらいで上手いこと場は収まった筈だ。
しかしそれができなかった。


私はその変わり果てたどんぶりを見て、声を失い、しかも(この場を何とか取り繕わねば)という妙な思考回路にスイッチが入ってしまったのである。
ポーカーフェイスを気取ってしまったのである。


よせばいいのに、何食わぬ顔して更にその上に「お酢」をかけ、さも「つまようじを振り撒いたのは必然である」と言わんがばかりの演技を施し、箸でつまようじを「どけながら」坦々麺を食べ始めたのである。
撒いてしまったつまようじを「取り出す」のではなく「浮かばせたまま」食べるという非情の選択肢を選んでしまったという最悪の事態。 何たる奇策。


周りは奇怪な目線と表情を私に送ってきているに違いない。怖くて辺りを見渡せない。
店員さんが、お茶を足しに来つつ「大丈夫ですか?」と聞いてくるかもしれない。
そしたらどう返答しよう?
「あ、おかまいなく。障害物競争みたいで楽しい食べ方を実践中ですので(ピース)。」
っとか言うことにしようか。


・・・


ドキドキしながらも完食した。
結局、店員さんは来なかった。
周囲の視線はちょっとチクチク感じたが、幸い私を指さしてクスクスしている人はいなかったので、ポーカーフェイスの勝利ということにしようと思っている。


勝ったぞー!