Tommy と Trevor

 昨日、某所でライブ演奏を聴かせていただきまして、70年代80年代の名曲の数々を堪能してたら「あー!今度、カラオケに行こう!」とモチベーションが上昇しちまっただよ。行くぞ!うおー!
違うか・・・(^^;


 昨日の演奏曲目にはなかったのだけれど、家に帰って布団に入って、ぼーっとしてたら、唐突に往年の二人のギタリストが浮かんできた私。
そのお店でバンドのギタリストの方とのお話をしたのが起爆剤になったのは間違いないな。(^^;


トミー・ボーリンとトレバー・ラビン。(彼等の話はしなかったのに、なんでだろ?…笑)


 この二人、知ってる人は充分に彼らを知っているでしょう。トミーはリッチー・ブラックモアが抜けた後のディープ・パープルで活躍した人だし、トレバーは再起動イエスのギタリストで有名だわな。


 で、お互いに充分に有名なんだけど、其々前任者がもっと有名(トミーに対してリッチー、トレバーに対してスティーヴ・ハウね)だったもんだから、前任者のカラーが色濃く残っているバンドで活動するには相当のフラストレーション(ストレス)があったに違いないだろう。だって、お互いの名誉の為に申し上げるとすれば、トミーだってトレバーだって、とんでもなく凄いアーティストなんだもの。そういう意味で、この二人には共通しているものを感じるんだよね。


で、つたない自分の記憶を辿る限りでの書き殴りをば。。


 トミー・ボーリン。正直なところ、少年当時、私はディープ・パープルについては第2期が最高峰で、それ以外は自分の中ではあんまり大したことがないバンドとして位置づけていた。今でこそ、パープルについての捉え方は大きく変化したが(実はあのバンドの最功労者はロジャー・グローバー(b)だったんじゃないかと…)、あの当時はイアン・ギランがいてリッチー・ブラックモアがいてこそのパープルだったと思っていた。その後、イアンが抜けて、デヴィッド・カッパーフィールド・・・ちがうな、カバーディルが参加して、「バーン」なんてな名曲を発表するんだけど、その曲、そんなに凄いとも思わなかった。むしろその後のアルバム「嵐の使者」の方が聴き込む内に好きになったという経緯はあるが・・・(そっちのアルバムの方がマイナーなんですけどねー)。


 だもんだから、トミーが登場した時は「えぇ〜?」だったし、そのライブ・イン・ジャパンがあまりに聴くのに耐えられないシロモノだったから、なお更に「やだなぁ〜」になっちまった。

 しかしその後、日本公演でのトミーは、実は手を負傷していたということを知り、それからまた後、FMでパープルに参加する前に発表してたトミーのアルバムを聴いて、考え方を一気に新たにしたのでした。トミーの演奏は尋常じゃないんだ!と。
中でも物凄くクールなのが「ティーザー」。


Tommy Bolin - Teaser


これ、1975年発表なのですよ。
30年以上も前なのに、このドライヴ感!です。
間奏部分の「チャラ〜〜〜〜〜〜〜〜、ジャージャーーンッ!」の緊張感はどうだ!
ベースやドラムがそのギターフレーズに段々と被ってきて盛上るシーンは最高っ!!


…思うに、トミーは、何も無理してパープルで活動する必要はなかったのじゃないかなー。
 ついでに言うと、何のアルバムだったかライブ・テープだったか知らないんだけど、夜中にFMでトミーの演奏を聴いたことがありましてね。どうしてもわからないのがあるです。衝撃が先行して録音すら出来なかったんだけど、渋谷陽一さんの番組で流れていたんだよな。結構速いテンポでね、間奏部分ではキーボードとギターのかけ合いの速弾きが展開されるんだけど、つなぎに思いっきりギミックが効いていて、何処までがギター・ソロで何処からがキーボード・ソロなのかがわからない曲があったのだ。布団の中で睡魔に襲われていた自分がメガシャキになっちまったっけさぁ。。



 一方の、トレバー・ラビン。これまた凄いアーティストだ。確か南アフリカ共和国出身という、非常にマニアックな出所。しかも、ギタリストと言うよりもマルチプレイヤーであったと記憶している。ドラム以外は全部出来るんじゃなかったっけ?


 今じゃイエスのギタリストとしてのイメージが定着してしまっているけど、彼がイエスに参加したのって、イエスが再始動する前の「シネマ」とかいうユニットに入ったのが最初だったと思う。80年代の初頭だ。
ところがね、これまたトミーよろしく、70年代に既にとんでもない作品を発表しているんだよね。


Trevor Rabin - Getting To Know You Better


邦題が「誘惑の貴公子」だったと思う。こういうネーミングだからきっと湯川れいこさんだぜ。
1978年。これだって30年以上も前なんだよね。


 時代は「エジンバラの何とか」とか言いながら、ベイシティーローラーズやらバスターやらハローやらが活躍してた頃と被ると思う。イギリス発のタータンチェック・ポップがもてはやされてたその時期に発表されただけあって、この曲のくだりの部分ではあまりにポップに迎合してしまっているけど、イントロやら間奏部分では、どう考えたってアイドル路線ではないツウなヘヴィロックの魂を感じるのさ。それが凄い。
潔く一曲全部をヘヴィに仕上げたらどんなに後世に語り継がれる銘ロックになっていたことだろう。。時代の要請とかがあったんだと思うけど、ちょっとしか要請に応えない辺り、中々の屈折魂(中途半端?)の持ち主だったんじゃないかと思ったり。


ってなわけで、私の感想。
 トミー・ボーリンハード・ロックのバンドに参加して一躍有名になったけど、実はクロス・オーバー的なフュージョンのトリッキーでエッジの効いたのとかが演りたかったんではないかと。
 トレバー・ラビンはポップにはなったけど元々プログレのバンドには参加したのだが、実はハード・ロックのバンドに参加したかったんではないかと。


 いやぁ、かなわないことだけどさぁ、トミー・ボーリン参加のイエスとか、トレバー・ラビン参加のディープ・パープルって聴いてみたいなぁ。
そういうコラボ、良いと思わん?