勤務先の町内会の新年会

 会社の所在地の町内会に参加したです。遅ればせながらの新年会ね。


 自分の居住地の町内会にすら参加してないのに(町会費は払ってますけど)、勤務先の属する町内会に参加するってのはどんなもんなんだろう?と思ってしまった。
 都心部とはいえ、基本的に町内会に参加するのは、そのエリアに居を構えている方々が基本。私なんかがどのツラ下げて行ったらいいのだろう?
 とにもかくにも、「情報収集してきなさい!」という上からのお達しのもと、出向くことになったです。


会場は、某町内の中華レストラン。
8人がけ円卓が幾つかあり、その内のひとつに座った私。隣の席は還暦突破のべらんめぇ口調の寿司屋の板さんだ。その板さん、もう既に酔っ払いモードに突入していて(あ、この町内会、開始時刻が13:30でした。思いっきりの平日。)私に話しかけてくるです。


「おぅおぅ、あんちゃん、この辺に住んでるんかい?」


既におっさんの私なのだが、還暦突破べらんめぇ星人にはガキにしか見えないようだ。


「え?あ、いえ、そうじゃありませんで、この辺に仕事に来ているものです。」


「へぇぇ、そうかい、そんじゃ仕事帰りにでもウチに食いに来なよ。同じ町内のよしみで勉強してやるからさ。」


(名刺、頂戴した)


「あ、ありがとうございます。いやぁ、お寿司屋さんですか・・・、夜は結構高いんでしょう?」


「あん?・・・へへ、そうねぇ、流石に2〜3千円ってわけにはいかねぇなぁ。でもよ、食って『損した』とは思わせねぇよ。」


「うはは、それでも1万円以上は勘弁してくださいよ。」


「酒飲んだら、そんくらいはいっちまうかもなー。。。ま、いーや、7〜8千円で何とかしてやろう。」


7〜8千円でも、この不景気の懐には厳しいものがある。
しかし、これも縁だし、いつの日か近い将来には何とかしたいと思った。


「お、あんちゃん、不安そうな顔だね、でぇじょうぶだ。寿司の食い方知ってりゃ、でぇじょうぶだ。」


「ネタにムラサキをちょちょんとつけて、『ひょいぱく!』ってやつですよね?」


「そうそう、そうよ、そこんとこからしてダメなやつがいる。ぽっろぽろこぼしながら食うやつとか、箸使ったりよ。。。もう、そっからして萎えちまうな、うん。」


「食べ方は自由でしょ(笑)?でも、やっぱ、だめですか?」


「そりゃよ、自由に食ってかまわねぇよ、客人が金を落っことすんだからね。でもよ、落としてくれた金を生かすも殺すも『道』に乗れてるかどうかで随分と変わってくるもんだ。」


「ほぉー。」


(これ以上話すとややこしいことになりそうだから、別の話題に切り替えないと。。)


「そこんとこワカンネェようじゃ、くるくる回ってる寿司屋にでも行っちまえってんだー。(ぐびりっ)」


(おっといかん、別の話題、別の話題。。。)


「最近の傾向で魚離れが進んでるらしいですよね、大変でしょう?」
 そんなことを口にしたら、反対隣のおやじさんが話し始めた。こちらはべらんめぇじゃないけど、70近い頑固っぽさが感じられる居酒屋の主人だ。


「そういや、築地もかわったよなー。」


「そうそう、昔は熱海とか箱根とか鬼怒川とか温泉地の旅館が買い付けに来てたもんな〜。今じゃ、すっかり見なくなったよ、あれかね、スジが変わったんだろうかね。。築地のブランドって強いんだけどなー。」


「お宅も昔は結構いじめられたクチでしょー?」


「俺かい?そうね、河岸に行き始めてからもう50年になるけどよ、今だに魚の良し悪しはわかんねぇなぁ。そりゃよ、シロウトさんよりかはましだけどさ、最終的には包丁入れるまではわかんねぇ。。」


何だか私を挟んで二人で話が盛り上がってきた。


「鱸なんかさ、包丁入れたらピンク色になっちまってて、全然使い物にならなかったのってのがあったよ。」


「そうそう、尻尾の先っちょだけ見て、さも『こいつぁ上物だ!』なんてほざいてマグロ買ってくやつがいるけどさ、あいつらの内、どんくらいが本当に上物をつかまえてるんかね?」


「大半は『思い込み』だと思うね。少なくとも俺は、持って帰ってきて、包丁入れて、中身を確認するまではほっとできないよ。わはは(ぐびりっ)」


「お宅、赤貝なんかで騙されたことあるかい?」


「あぁ、あれね、それはないなー。」


「昔はよく魚の生き血をかけて、鮮度の良いように『見てくれ』を騙してるのがいたよねぇ。俺なんか駆け出しだったから、直ぐに足元見られちゃう。」


「今は、『相場』ってのができてきたから楽にはなったけどねー。」


・・・


話は物凄くディープに盛上って行った。
ついて行くのが精一杯だった。


多分、上席の求めているのとは異なる『情報収集』ができた町内会だった。(^^;