サンダーバードというベース

エレクトリックのギターとかベースとかのフォルムのお話なんですけどね。


 言うまでもなく、楽器にはいろいろな形(フォルム)があるじゃないですか。
ギターやベースの場合、今は基本的にはストラトキャスターレスポールが二大基本型であることは誰も疑いのないとこでしょう。勿論、セミアコフルアコテレキャスリッケンバッカーエクスプローラー、モッキンバード、イーグル、SGとかいろんなの沢山あるけどね。。。そういったもの全〜ん部ひっくるめて、個人的に好きなギターの形となると、一番はエクスプローラーで、二番がギブソンSGな私です。


しかし、これがベースとなると話がちょと違ってくる。
エクスプローラー形のベースとか、SG形のベースも好きだけど、とにかくいっちゃんすきなのはファイアー・バード形である。あ、ごめん、ベースになるとサンダー・バードという名称になるんだっけか。(そうそう、ファイアー・バードの形のギターも好きだな)(^^)。


で、それがどういう形かというと、こんなやつ
  ↓

好きな理由?
とにかく生理的にカッコいいと思ってしまった。 以上。
要は私、形式主義。カタチから入って行く人みたい(^^;


 きっかけのひとつにマンガの存在を外す事が出来ない。柴田昌弘さんという漫画家がいるです。「花とゆめ」という少女漫画だけどむしろ男性に支持されている白泉社の少女漫画雑誌がありましてね、かつて、そこで連載されていたマンガに「ブルー・ソネット(紅い牙シリーズ)」ってのがあったんです(ガラスの仮面パタリロスケバン刑事の時代ね)。


 その登場人物の中に通称「バード」ってやつがいまして。そいつは結構不良系なんだけど、アマチュアバンドを結成して活動したりしている心は熱い高校生だったと思う。


 何故か柴田さん、バンドもの、音楽ものにも造詣が深いようでして、非常に細かいディティールまでも手を抜かないところが凄かった。
なんたって、この漫画は少女漫画である。
しかも設定がSFだ。
そこにバンドのエッセンスがどんな風に組み込まれてくると思います?


 実はこのバードという青年、主人行の少女「ラン(超能力の持ち主・・・激情すると変身しちゃう)」の恋人でございまして、何故かシリーズの極めて最初の段階で事故死してしまうのです。

(←バードね)
 ・・・が、何話か進んだ後に、今度はサイボーグとして生まれ変わって(というかランの敵として)再登場するのだ。しかも過去の記憶を失って登場というオマケ付きである。
いやぁ切ないね。




「バード、私よ、ランよ!」
「・・・」
「ねぇ、覚えているでしょ?」
『バシッ!(ランを引っ叩くとか)』
「なにするの!?」


・・・とか何とかの展開だったかどうかは忘れた。
でも、そのくらいショッキングな再会となるのである。



その後、色々あり過ぎるので中略。



 結局、バードの記憶は戻り、かつて組んでいたバンド(バードはそのバンドのベース担当)をたよりに音楽活動を始めることになる。再結成した新生「文無組」(←バンド名)。


 なんと、コンテストで本選まで進み、ステージでベース・ソロの部分になるのだが、ここで8ビートの本曲に対して32ビートで(およそ人間では不可能な速弾き)を披露するのである。
 タッピングなら現代の誰かは可能であろう(ビリー・シーンとかジョン・マイヤングとか)。だが、フィンガリングのピッチングで32ビートともなると超人技だ。現実界では存在しないのではなかろうか?
 ところで、サイボーグとなったバードはもはや人間ではなく、正確無比にパルス信号のごとく音符を爪弾き出すことが出来る。あまりに速いので手や指の動きは人間の肉眼では確認出来ないほどだ。会場は盛上るどころか唖然となり、ソロ終了後、割れんばかりの拍手喝采を浴びる。
 敵の目から逃亡中のバードにとって「目立つ行為」はご法度なのだが、ついつい昔の想いが蘇り、熱くなってしまったがゆえの白昼夢のような一瞬だった。


彼が使っていたベースがたしかサンダー・バードだった気がする(違うかもしんない)。


かっこいいな♪
と思ったのがひとつの理由でした。



 ともあれ、サンダー・バード・ベースのデザインがかっこいいのは言うまでも無い。


ヘッド部分、ウッド系茶色とブラックのツートーンカラーで、やや通常のベースのヘッドよりも大きく、きゅっとエッジが効いているデザインが何とも言えない。


ボディの鳥イラストもそうだけど、ボディそのものの丸みを帯びていて、にもかかわらず尖がった姿勢を感じさせるフォルム。


サンバーストの色付けがこれまたたまらない。(ブラックやホワイトも好きだけど、やっぱり私はクラシカル・サンバーストが一番)


ハムバッカーのピックアップマイクから拾われて伝わる図太い音。
これ、もうね、文句のつけようが無い。艶があってパンチが効いてる。


このベースはそれほど素晴らしい!!のだが、重心のバランスが悪いのがやや難点。
上記の通り、ヘッドがかっこいいのだけれど大きめのデザインのせいなのか、ヘッドの方に重心が偏っている風がある。ストラップなどに工夫を講じないと、手放し状態ではヘッドが下に落ちてしまいそうになる。・・・ので、常にネックが下に落ちないように手で支えておいてあげる必要が出てしまう。



 余談ですが、サンダー・バードのベースでチョッパーやってる人を見た事が無いので、多分、スラッピングには不向きなベースなんでしょうな。
もっとも、その辺りは私にはどーでもよろしい(笑)。
出力がでかい、特に中域のパワフルさは凄いので激しくロック向きである。
それで充分だ♪




でも、実際に使いだすと、色々文句言いだしたりしてね〜。
あれがどーとか、これをあーしろとかさ・・・(笑)
持ってないから、いろいろ言えるんだろうなー(^^;





(…ぜぇぜぇ・・・話が長くなっちまって、すんませんっした)。