CBSソニーが立ち上がった頃のラインナップ

古ーいお話をひとつ。。。

「アダムス」というバンドに『旧約聖書』という曲がありました。

 GS(グループ・サウンズね)としてのクオリティを語るとき、私が外せないバンドのひとつとして、「アダムス」というのがあるです。題名にせよ歌詞にせよ(バンド名にせよ)、あまりに大業すぎてちょっとこっ恥ずかしいですが、しかし、アレンジの水準、サウンドの構成、非常に高すぎる(た)のだ。ほんとだよ。


 時は1960年代後半、音楽レコード業界に新たなるブランドが登場しました。CBSソニーである。(正しくはCBSソニーレコード株式会社ね)
米国のコロムビアとの50%ずつの出資によるレコード会社で、第一回の新譜は「サイモン&ガーファンクル」の「サウンド・オブ・サイレンス」であったことはかなり有名。
で、洋楽ではなく邦楽の世界においては何を出したかというと、時はGSムーブメント、ここに新しい試みが必要ということで、あまりにも斬新な企画に打って出た。


「シンフォニック・ロック」である。


 そう、そう聞いただけでドン退きしてしまいそうな企画だ。
本格的なオーケストラとコーラス隊をバックにしたシンフォニック・ロックで史上まれにみる壮大な歌謡ロックに打って出たのである。


苦戦であった。


 CBSソニーの社運をかけた第一号アーティストとして「アダムス」は華々しく「旧約聖書」というシンフォニック・歌謡ロックででデビューしたのだが・・・コケた。ルックスなどからもアイドルを目指したメンバー構成だったと思うんだけど、実際には水谷公夫さんや、千原秀明さんらのちのニッポンの音楽シーンに大いに貢献した人物が在籍した伝説(凄腕)バンドということになってしまった。


 ギターの水谷さんは、その後色々なミュージシャンとのセッションなども行なっているのだけれど、個人的に一番印象深いのは「風」の4thアルバム「海風」に参加していること。実は、何を隠そうこの私、このアルバム(海風)が好きだったんだよ。。