夢を見た
その日、私は友人達と連れ立って、都会の喧騒から離れた避暑地に遊びに来ていた。
そこで何やら虫みたいのにに刺されてしまった私、その直後から酷い痒みと痛みに襲われた。
見れば右腕の付け根が、大きく腫れ上がっているではないか。激しく痛痒いぞ。
ばりぼり掻いている私の傍で、友人が「その腫れあがり方、尋常じゃないよ!」と吠えた。
「これ、まずいよ、ここに生息している毒蜘蛛に刺されてしまったんじゃないかな?」と、別の友人。
「え!?そしたらどうなるん?」
「このまま放置しておいたら、最悪、死ぬぞ。」
「でぇ!? 死ぬのはいけません、どうにかする方法はないん!?」
「ここは人里離れた所だし、病院、ないよねー」
「じゃ、さっさと帰らなくちゃ!」
「え?だって次の便は明日の夕方だよ。無理でしょ。」
「うわ! こまつた、どうしよう・・・」
悩んでしまった私に友人が言った
「民間療法はどうだろう?『玄武カメ』の甲羅の部分を削って煎じて飲むといいらしいよ」
「ぬな? そんなカメ、この辺に生息していないじゃろ? 第一、捕獲禁止だったりせんか?」
「あ、そうそう、そういえば今、公民館でさ、『世界のカメ展』やってるぜ。」
「おぉ! 行こう! とにかくそこ、行こう!」
こうして私は友人数名と連れ立って『世界のカメ展』に行った。
入場手続きを済ませ、さっさと会場へ。
ありとあらゆる世界中のカメがそこらじゅうにいる。
獰猛な種は、檻の中に入れられている。
求めていたカメとやらは、そういう獰猛種のひとつだった。
難なくそのカメを見つけることが出来たのだが、がっちり格納されている。
「うーん、これは手ごわいぞ、どうする?」
「そりゃあんた、守衛さんとかの隙を見つけて、鍵を盗んでくるしかないじゃないか!?」
「どうやって?」
「簡単さ、放火しちゃえばいいんだよ」
「あ、なーる!」(いや、ここで納得したりしちゃいけないんですけどね)
「ようし、俺が向うで煙焚いてくるから、あとはよろしくっ!」友人はそう言って走り去った。
数分後、辺りは煙で包まれ、緊急避難コールがけたたましく鳴り響いた。
場内の人々は半ばパニック状態だが、カメ達はのっそりしていた。
どさくさにまぎれて鍵をゲットしてきた私。その鍵で、件の檻を開ける友人。何とか目的のカメを捕獲したものの、そのカメを捕まえる時に、カメの生餌として檻の中に一緒にいた『ヒトデ』に刺されてしまった。
「うわっ!! っつー!」
「どした?」
「ほら、カメだ、受け取れ。俺は何だかヘンなヒトデに刺されちまったようだ、痛ぇ!」
「なにぃー?」
見れば、友人の手が腫れ上がっている。
「と、ともかく、早くここを出よう!」
私と友人とカメは、放火友人のいる所へ向かって走り、何とか合流に成功した。
「友人がカメと引き替えにヒトデに刺されてしまった!」と私は放火友人に語る。
「ん!? おいおい、冗談だろ? そのヒトデも猛毒だぜ。どうすんだよ?」
「み・・・民間療法はないのか?」ヒトデ友人が言う。
「民間療法は・・・そうだ、聞いた話だけれど、『マテ貝酒』を飲むといいらしい」
「なんですか?」
「かなり珍しい部類の酒だ・・・だが心配するな、確かこの近くにタモリさんの別荘がある。あの人なら持っているに違いない、分けてもらおう!」
目が覚めた。
毎度のことながら、意味不明に寝苦しい。
急激な寒さで首肩コリになってるし。。
気候の変化に追いついていない私だな(^^;