「ウィスキーが、お好きでしょ」は名曲なのっ!

 JRの新橋駅では列車の発車ベルが例の「ウィスキーが、お好きでしょ」のフレーズになった。そういえば、TVのCMも小雪さんを使ってハイボールをかなり宣伝し、電車のつり革広告にもウィスキーがやたらと見かけるようになった。ついでに言うと、私の勤務する会社の上司達が昔を懐かしんでか、ここのところやたらとハイボールを注文する人が多くなったように思う。


おいおい、貴方、先日までホッピーだったのに、何で今更ハイボールなん?


プリン体ゼロは痛風に頼もしい酒だ!』とか言ってませんでしたっけか?


 ってなわけで、世の中は某社の広告宣伝戦略の勝利となり、ウィスキー、ハイボールが大変な賑わいを示すようになってきてるようですね。


 で、私はと言いますと、実はウィスキーはそれほど得意ではない。一番の理由は、二日酔いの抜けが悪いということがある。翌日の朝、激しい頭痛とか吐き気にさいなまれるのだけれど、そいつが夕方以降まで引張ってくれるのがウィスキーなのだ。


それは飲みすぎだ、とも言うな。


 しかし、一方で、日本酒の二日酔いの場合、記憶が吹っ飛ぶわ、げろげろになるわで、翌朝の酷さはウィスキーを上回るけど、何故か昼過ぎには復活出来る。


まぁ、どっちもどっちという気もしてくるけど、結論的には、一番しんどくないのは焼酎か(苦笑)。


あ、いや、二日酔いの話ではない。ウィスキーの話だ。


いやいや、「ウィスキーが、お好きでしょ」の話だよ。



 昔、この曲の話をしたことがあるけど、石川さゆり先生がクレジットを「SAYURI」として歌った曲であることは、あまりにも有名ですよね。「石川さゆり」クレジットでは演歌のイメージが強すぎたんですかね。
 でもね、知る人ぞ知る、石川さゆり先生の声質は演歌だけで収めておくにはあまりにももったいないのだ。彼女の声はこの曲のようなジャズ・フレーバーにもマッチングするし、童謡でも素晴らしい歌いっぷりを披露してくれるのである。いつぞやにラジオで聴いた「赤とんぼ」のピアノ伴奏オンリーなんざ、激感動もの!だった。忘れることができない。
もちろん、この「ウィスキーが、お好きでしょ」も実に秀逸な歌唱。
彼女の魅力を最大限に発揮してくれていると思う。


SAYURI - ウイスキーが、お好きでしょ


 かなり個人的な意見ですけどね、石川さゆり先生は「い段(いきしちに)」をハイキーでロング・トーンで歌わせたら天下一品だと思う。この曲でも「うぃすきぃ〜♪」の出だしの「きぃ〜♪」の伸びのある色気を伴ったロング・トーンは聴く者を思いっきり魅了する(私だけか)。
この他にも、かの名曲「津軽海峡冬景色」でも、下りの部分、「つがる〜かい〜きょ〜う〜♪」の「かい〜」のところとかも印象的だもの(私だけか)。
これって、往年の中森明菜の「わ音」を低域から中域へロングで引張る時の魅力に匹敵すると思うなー。


 歌詞がまた良いじゃないですか。私は今や思いっきりおっさんだけど、青少年の頃、大人もミドル・エイジになったら、渋いジャズに酔いしれながら影をもった過去と、過ぎ去りし愛を肴に語らいで、女性とテーブルに対峙したいもんだ!・・・なぁんて思っていたもんだが、結局、今でもロック系ですし・・・(^^;
あ、いやいや、そうじゃなくて、この曲のストーリーが正にそれなんですわ!


「ウィスキーが、お好きでしょ?  も少し、しゃべりましょ。」


そんなことさゆり先生に言われたら、しゃべるに決まっているじゃないですか!


「この店が似合うでしょ?」


似合う似合う!(何処だか知らないけど)


「あなたは忘れたでしょ?  愛し合ったことを」


いーえっ!!(ってか、愛し合ったことないし)



もうね、イメージはバッチリ自分流に膨らみすぎちゃうね。
こんなこと言われてみたいもんです!


ってなわけで、自分の空想の中でこの曲に酔いしれるのが精一杯。


イメージはとことん膨らむけれど、実生活上でのそういう経験がないから、似合うとか似合わないとかの問題ではなくて、必要条件を満たしていないから、そういうのに似合う店に行ったところで、なぁんも展開を期待出来ない。


ってか、ウィスキーが好きくないともなれば、だめだめじゃーん。


そんなら日本酒だな。


・・・


 男一人、コートに身をくるみ、都会の喧騒から逃げるようにして、ここさいはての地にやってきた。日本海に面した、錆びれた港町、時代に取り残されたかのように小料理屋を切り盛りしている、若おかみひとりの店。客は自分一人だけか、外の風がうるさい。


「お客さん、一本、つけましょうか?」


「ああ、頼む。・・・おかみさん、肴は何がある?」


「キンキが美味しいわよ、焼く?」


「いいね、ありがとう。」


「? なに? 私の顔に何か付いている?」


「あ、いや、和服が似合うね、いつも着て出てるの?」


「そうよ、お客さん、見ない顔ね、どこから来たの?」


「よせやい、そういうのは言わない約束だろ?」


「いじわるね。」



(うおーーーーー!!!・・・「心の叫び」)



「お猪口をもう一つくれないか」


「え?」


「一緒に飲もう」


「あら、お上手♪」


「ふん、この位は気取らせてくれよ」




(うおーーーー!!!!!!・・・実声でもよろしい!)



・・・・・・あー、・・・酔ってるな、・・・俺(^^;;