Hieronymus Boschのアート表現と、バケツヘッドなど〜

ちょっと、絵画のお話でも。

 皆さんは、「ヒエロニムス・ボス(ボッス、ボッシュ)」という画家をご存じだろうか?
ボスは、ダヴィンチやミケランジェロが活躍してた同時代に活動していた画家なのです。


 彼の描く作品は非常にペシミスティックで、殊更「悪魔」とか「地獄」とかの表現がやたらと出てくるんですな。もちろん、宗教色が非常に色濃く出ているのだけれど別にキリスト教信者じゃなくても、なにやら惹かれるものを感じてしまうんです。私にはある種、シュール・レアリスムに近い存在にも感じられるのだけれど、まぁとにかく彼の作品は個性的なのだ。


 私、グロが趣味なのではないですが、時々彼の絵が気になって仕方がない時があります。名画と言われる「快楽の園」の地獄サイドの絵。ありゃ強烈すぎで、夢にまで見そうになるです。卵の殻のような中に何か生命体がいて、良く見ると全体が実は人間の一部だったりするものや、人を食っては何やら不気味に人を排泄する鳥人間、生命体なんだけど生物なのか非生物なのかが判然としないみょうちきりんなのが、そこらじゅうに登場している。キモぃ。
 これ、癒しの絵とは程遠い存在だけれど、それはそれで妙に心拍数が落ち着く時もある私。(もちろん、この絵を観て高まる時もある)ほんと、謎に満ちたオランダの画家、ヒエロニムス・ボスなのだ。彼の残された少ない絵の数々については下記を参照してください(グロいのが結構あるから気をつけてね)。


ヴァーチャル絵画館で紹介されているボスの絵たち


 まぁなんだ、恐らく、彼もまた無意識の恐怖と言うか、夢の世界にあるような非現実的なリアリティを具現化出来ている鬼才なのだと思うね。そういうのが、僕が惹かれる一つの要因なんだと思う。タイプは違うけど、映画『ジェイコブス・ラダー』の表現手法に通じる何かがあるようにも感じる。「ありえないことが起きてるんだけど、ありえそうに思えてしまう魔術」、まさに夢の映像化、そういう感じです。




さて、グロいPVではあるけれど、そいつをモチーフにしたPVがありました。
いやぁ、これまた一度観たら忘れられないですな。グロ・メタル。そう表現していいのか?

Buckethead - Spokes for the Wheel of Torment



 演奏しているのが、あのバケツヘッド(バケットヘッドと言わないといけないらしいけど)ってのが、なんとも「らしく」て分かりやすい気がするね。絵的にも上手いこと紛れ込んでいるし^^;


 思えば、バケツヘッドってのもヘンテコなアーティストだよなー。バケツやらお面を被っているから、思いっきりギャグ系かと思っていたら、結構本人真面目にアートしてるようなんだよね。自分ではしゃべらず、常に通訳を通してインタビューに応じたりしているメタル・ギタリスト。ガンズンローズにも在籍経験があるとは最近まで知らんかった。


 彼のプレイは実はかなりの評価を受けていてマニア受けしているようなんですが、私的にはどの辺がどうフックが入ってくるのか分からないでいる。ま、上手であることには間違いない。
 そうね、こういったズコズコのキロリロフレーズのメタルとなれば、私にはスリップ・ノットとかドリーム・シアターの方が好みなんかもしれない。


<しかーし!>


こと、ヒエロニムス・ボスとのコラボ的展開では、実にハマっている。
これは否定のしようがないね。
「そう演奏するしかないわな」と、ひとしきり感嘆したのでありましたとさ♪




 こういう映像表現と言うか、音楽と言うか、表現不可能と思われる非日常に潜む心の実存みたいのを目の当たりにすると、自分が一瞬でも凍りつくのが分かる。
闇の世界って、誰しもが内面に持っている世界なんですがね、コワイねー。
 で、こいつ(ダークサイド)を前面に展開させることなく、「黙らっしゃい!」とばかりに押えこんでしまえれば、かなりアッパーな人生展開が出来ると思う。


 間違えないでほしいのは、ダークなエリアを知らないで通り過ぎるのではなく、そういう存在・側面を肯定しつつ、そいつを押えこむニュートラルな勇気が人生を左右できるということかな。


ちょいと哲学チックになっちゃったね。すんません。


 ともかく、色々あるのが人生で、その色々の中で、囚われてしまいそうになるダークな部分があるとしたら、それはそれで軽ーくTHRUできるように頑張って行きましょうってね♪


私が目指す『人生こうありたいイメージ』は、んー、洗濯洗剤のCMのようなやつ。


抜けるような青空! 驚きの白さ! みたいの(笑)。


ブライト〜♪ とか、ニュ〜ビ〜ズ〜♪ とか、ハ〜ミング〜♪ とか、ボ〜ルド♪みたいな響きの人生ね。(およそ遠いな〜…笑)



がんばろう、おーっ♪


PS;ワン・ワードのメロディー・ラインで、消費者の脳にインパクトを与えることが出来る技って、凄いよね〜。…でも、並べてみたらその差に区別がつかなくなってきたなw